表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

I to sb.

Where have you gone?

作者: kanoon

時はずっと止まったまま。

貴方に会うまで動かない。



[없다(オプタ)]



月日が流れる。今どうしているだろうか。

私はこんなに大きくなって、貴方はきっともっと大きい背中で今を生きているんだろう。

この狭いような広い世界ですれ違えば、きっと運命なのに。見渡しても目が廻るだけで、私は貴方を見つけることは出来ない。

貴方もここにいることは分かっているのに、影を踏み留めることは出来ずにいる。渋谷で、新宿で、私はぐるぐると探した。

「どこにもいない」

ここに来れば会えるかもしれないと期待していた。でもそれは違うのかもしれない。もしかしたら貴方はアメリカやヨーロッパに高飛びして、私を避けているのかも。いや、忘れてしまったのか。

「東京にいたら、また会えるよね。私、絶対行くから待ってて」

「うん、待ってる。ずっと東京にいるよ」

そう言っていた二人の姿は、もう15年も昔の姿。好きだった声も姿も変わっているのだろうけど、きっと私は見つけ出す。

だからチャンスくらい下さい。

心の中で祈りながら、友達と一緒にいたり母親と一緒にいる。


私は貴方のことを忘れたフリをしてきた。

「このキーホルダー、誰に貰ったっけ」

そう母に聞かれても「友達?」と答える。だけど何で大切に持ってるかなんて、貴方に貰ったものだからに決まってる。

貴方の好きだった歌を聴きながら、思い出している。

「だけどやっぱり、どこにもいない」



今どうしているのだろうか。あの人が、あの人が、貴方だったらどんなに嬉しいだろうか。

私を照らして、日陰に追いやろうとする太陽が笑っている気がした。

「笑うな」とキッと睨む。どれだけ間違えようと、どれだけ転ぼうと、起き上がってきたのだから、あの生意気な太陽に負けたら恥曝しだ。

探して探して、また一年。そうやって月日すら私の味方にならずに無情に過ぎる。

もう、これ以上は。そう思って何年だろう?だけどずるずると先延ばしで期待を捨てられずにいるのだ。

「もうそろそろ、やめどきなのかもしれなあ」

諦めきれない気持ちを押し殺した。


だけど最後の最後で、女神様は微笑んでくれる。

擦れ違った一人の男性。見たことのあるキーホルダーと懐かしい匂い。

ふと振り返ってみる。そうすれば相手もこっちをみていた。

「「あ、」」

もしかして、と相手が言う。やっぱりそうなんだ。また逢えた。



「……오빠(オッパ)!」

貴方は嬉しそうに笑ってた。

・없다・・・いない、ない

・오빠・・・兄

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[一言] ハングルということは、これは韓国のお話でしょうか。 切ない想いが伝わってきました。 素敵な時間をありがとうございました。
2011/11/18 20:40 退会済み
管理
[一言] しっかりと短くまとめられており、 まるで映画の一シーンを見ているかの様でした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ