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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
7話 鬼
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坂道を占領している犬

 朋は学園の横を通る道を進み、学園の裏手にある坂道までやってくる。

 その坂道はかなりの急勾配で、一歩、歩くだけでもうんざりしそうな傾斜であった。

 道は車が1台通れるぐらいの幅で、学園の裏庭に沿って200m程続いており、そこから山手に曲がっている。学園側は崖になっており、反対側の山手には3件の家が強引に建てられている。

 「うー。ここまでじゃ駄目ですか?」

 「駄目。私のこの短い足で、ここを登れと言うの?私の家はこの坂を登って、そこを曲がって、まだまだ上にあるのよ。」

 「面倒くさいのです。」

 「それに、私を追い掛け回した犬はそこを曲がった処にいたの。まだ、いたらどうするの?」

 「あうー。イヤな事を聞いたのです。」

 朋は坂道を登り始める。

 見た目と同じく、一歩登るだけで、疲れる坂道を踏みしめながら登っていく。

 『私、絶対ここには住めないな。』

 彼女は坂道の曲がり角までやってくる。

 曲がり角にある家はコンクリートブロックの壁があり、朋はそこから顔を出し、曲がり角の向こうを覗いた。

 そこには、ロットアイラーという筋肉質の大型犬が道に真ん中に座っていた。

 朋は頭を引っ込める。

 「あうー。犬さんがいたのです。しかも、凄く、怖そうな犬さんなのです。」

 「私、ウチここを超えないと、いけないの。人間なら襲わないかもしれないから。早く行ってくださるかしら。」

 「無理です。噛まれたらどうするんですか。」

 「大丈夫よ。多分。」

 「あうー。信用ならないのです。」

 朋は、坂道を渋々、歩きはじめた。

 朋が見えても犬が動く気配は無い。

 彼女は、犬を避ける様に道の端ギリギリを歩きはじめる。

 犬は顔をあげ、朋に顔を向ける。

 更に歩き続けると、犬が「うー」と、唸りはじめ、「ぼう」と一回吼えた。

 『怖いのです。』

 無理に歩くと、立ち上がり、「ぼうぼう」と二回吼え、足をピクリと動かした。

 朋はパニックになり、後ろを振り返り、坂道を網ダッシュで下りはじめた。

 「こら、逃げるな。」

 「あうー。無理なのです。」

 坂道を下りきって後ろを振り返ると、犬は追いかけてこない。

 『どうしよう・・・。』

 その時、どこからともなく、声が聞こえてきた。

 「おお、魔法少女その2ではないか。こんな処で何しとる?」

 そこにいたのは蛙主だった。

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