表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女ガラミン  作者: からっかす
7話 鬼
97/270

犬に絡まれる。

 朋が走っていると、一方通行の細い道路の真ん中にブルドッグが座っていた。

 彼女は犬はTVで見る分にはかわいいと思うが、怖いからその場にはいて欲しくないというタイプの子だった。

 朋はブロック塀に張り付き、そっと、そっと、ブルドッグの横を抜けようとする。

 ブルドッグは彼女の怪しい動きを追いかけるように、顔を移動させる。

 『こわいよー。』

 ブルドッグは口を開く。

 「こら、そこの小娘。失礼でしょ。」

 「あう、しゃべった。」

 「私が見えてるんだろ。まるで汚い物を露骨に避けるように。」

 「ごめんなさい。犬さん怖くて。」

 「怖いなら引き返すとか、あるじゃん。」

 「うー。それは思いつかなったのです。」

 「あんた見えているなら、私と一緒にご主人探しを手伝いなさい。」

 「ええ、イヤです。」

 「ワガママ言うんじゃありません。」

 「ワガママ言って無いもん。」

 「そんな事言っているとずっと、何日もあなたの後ろ着いていきますよ。」

 「あうー。それはイヤなのです。」

 朋は渋々犬の要求を呑んだ。

 「何処に行けばいいですか?」

 「知らない。それを知っていれば、あなたになんて頼らない。」

 「ぶー。それじゃあ、どうしようも無いのです。」

 「私の首輪の裏に住所が書いてあるから、そこに連れてけばいいのよ。」

 「あうー。触るんですか?」

 「私が首輪取れると思うの?」

 「むりそうなのです。」

 朋は恐る恐る、ブルドックの首に触れ、首輪をはずす。

 首輪を確認すると、学校よりちょい山に入った処の住所だった。

 「わかりました。着いて来てください。」

 そういって、朋は学校の方向へ向かう。

 「こら、小娘。私を抱いて行きなさい。歩きつかれて動きたくないの。」

 「ええー。怖いです。」

 「暴れたり噛んだりしないわよ。」

 朋は渋々、犬を抱き上げる。ちょっと重い。

 「うー。少し重いです。」

 「私、これ以上存在を薄くできないから。軽くはなれないわよ。」

 「存在を薄くすると軽くなるんですか?」

 「軽くなるよ。」

 「へぇえ。」

 朋はブルドックを抱きかかえながら、歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ