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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
6話 未定
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美由の実力。

 翌日になる。美由の靴には画鋲は入っていなかった。

 学園では職員室の前に、中間テストの順位が張り出されていた。1年から3年の上位50番。計150人分の名前だ。

 美由は13番であった。

 全体ではいつもより、ちょっと下であった。女子の中では5位と変わらなかった。

 美由も点数を落としていたが、他の生徒も落としていたので、大して変化が無かったのだ。

 桐野が美由に話かける。

 「あら、桜間さん。少し点数を落としているようだけど、順位は落ちてないみたいね。」

 「ああ、桐野さん。相変わらずの一位ですね。点数も凄いですね。」

 「まあ、それだけを一生懸命頑張っているからね。それにしても、今回のテストは問題のレベルが上がったとはいえ、沢山の人が点数を大幅に落としているわね。他の人達も、もっと勉強すべきね。3流大以上を目指すのであれば、あれくらいの問題で大幅に点数を落とす様では合格なんて無理だと思うけど。受験ではあのクラスか、それ以上の問題が出るわけだし。」

 「そうですね。」

 「桜間さん、あなたもね。」

 「分かっています。もう少し、受験に対応した勉強をしないといけないでしょうね。私の場合、基礎・基本を重視してきたので、受験用の問題に不慣れなところがあるので。」

 「頑張りなさい。あなたには期待してるんだから。」

 「おねぇえ様としてですか?」

 「そうよ。」

 朋が友達を連れてやってくる。美由の顔を見て一瞬明るくなるが、顔を伏せ暗い顔をする。一緒にいるのは加奈だった。

 『ごめんね。朋ちゃん。駄目だな私はあの子にあんな暗い顔させるなんて。』

 美由はその場から離れた。



 「ほら、朋ちゃん。桜間先輩だよ。話かけないの?」

 「ええとね。今、美由先輩、昨日の落書き事件でいじめられてるから、もしかしたら、仲良くしている私にまで危害が加わるかもしれないからって、しばらく、会わないことにしたの。」

 「あらら。まぁあ、現状を考えると、かなりその可能性はあるからねぇえ。大丈夫だって、桜間先輩ならきっと解決できるって。」

 「うん。美由先輩なら大丈夫です。」

 加奈は美由の名前を発見するの。

 「ほら、朋ちゃん、桜間先輩だよ。13位か。女子だと5位か。ちょっと今回は落としてるねぇえ。でも、上位には違いない。赤点があった私とは大違いだ。」

 「加奈ちゃん赤点があったの?」

 「まあねぇえ、朋ちゃんは無かったの?」

 「ギリギリ大丈夫でした。」

 「一緒に追試が受けられなくて残念だなぁあ。」

 「うー。追試イヤなのです。」

 「次こそは、一緒に追試受けようね。」

 「受けない様に頑張るのです。私が頼り無いから、美由先輩がああいったんです。私はもっと頼りになる女になるのです。」

 「おお、燃えているねぇえ。」



 美由のクラスではテストが終わってから、二度目の体育の授業がやってきた。

 二クラス合同で、女子と男子が別れて、体育をやる。

 今日の女子は50m走だった。

 美由は考え事をしていたので、周りの事が見えていなかった。

 自分の順番になる。隣にいるのは、別のクラスの女子で陸上短距離のエースで地区大会では優勝、県では1回戦敗退ぐらいの実力だった。

 美由はとなりが誰か分かっていなかった。頭をふり、今は走る事だけに集中する。

 お嬢様方は美由が差をつけられて負ける事を期待し注目していた。

 「位置について、用意、ドン」

 美由は上半身を前に強引に倒した上体で大き目の足音をたて、ちょいジグザグ気味に数歩進み、少し状態をおこして、モモをすばやく上げ下げする。その走り方で、隣の選手と並んでいた。

 『何?この子?足は速い方だけど、ここまで、速かった?』

 美由は完全に体を起こし、大きく足をスライドさせる。

 二人はゴールを切った。

 美由は負けた。タイムでコンマ1秒、からだ半分の距離だった。

 美由はぜいぜい言いながら、集団へと戻っていく。

 桐野が声をかけてきた。

 「おおやるじゃない。」

 「はい?」

 「ウチの学校の短距離のエースと互角なんて。」

 「ええ?そうだったんですか?」

 「あきれた。気付いて無かったの?」

 「色々考え事をしてたんで、直前になって、考えるのをやめて、ただひたすら全力で走る事に集中してたので。」

 「へぇえ。実はあなた今まで実力を隠していたんじゃない?」

 美由はギックっとする。

 「か・かくして何ていません。」

 「動揺してるわよ。あなたすぐに顔に出るから、分かるわよ。」

 

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