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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
6話 未定
82/270

警告

 朋は下校中、泣きながら思った。

 『私が頼り無いから、美由先輩はああ言ったんだ。美由先輩のためにも、もっと強くならないと。私、頑張る。』

 彼女は涙を拭き、家へと帰る。




 須王寺麗菜は、放課後、自分の派閥の人間を集めた。

 「みなさん、聞いていると思いますが、今日、私のクラスでいじめがありました。」

 須王寺は集まった皆の顔を見渡す。

 「別に、私は、いじめをする事も、卑怯な事をする事も止めません。上に立つ立場の者にはとても必要な事ですから。ただ、今回の件の場合、それをやれば、私達、全体が疑われます。正直、ごく一部のやり過ぎた人間と共に、こちらの品位を下げられるのは我慢がなりません。」

 皆、黙りこんでいる。

 須王寺は携帯電話を取り出し、彼女の机の落書きの画像を選択し、前列の端の人に渡す。

 「見たら隣の人に回していきなさい。」

 受け取った人は、画面を見た後、次の人へと渡していく。

 「私達、全員がこんな言葉を平然と言う様な人間だと、他の人たちに思われるのが私は我慢なりません。やるなら、私達を巻き込まない方法でやりなさい。」

 彼女は間を置き、話はじめる。

 「後、勘違いしないで欲しいのは、私はいじめや卑怯な事をする事をすすめているわけではありません。やるなら、自己責任でやれと言っています。その人はその人なりの理由があるのでしょうから止めはしません。やるからには、それだけの決断をなされたんでしょから。私が言っているのは、私達まで悪く思われる様な事をするなという事です。やりたければ、どうぞ、ご自由に。責任を取るのはあくまで自分一人が責任をとる形でやれば良い事なので。だから、私はその方を応援をしませんし、守る事もしません。むしろ、問題が発覚した場合、問答無用で切り捨てます。」

 須王寺は目を閉じ、一旦、息を大きく吸う。そして、目を開ける。

 「私が、その方を切り捨てる方針に不満がある方はいつでも言いなさい。私はいつでも派閥の長を辞める用意があるので。」




 須王寺が派閥の人の前で演説を行っていた頃、美由の下履きの中に10本程の画鋲を入れる人物がいた。その人は、美由の靴の中を覗き込み、効果的に刺さる様に画鋲の位置を調整する事に神経を集中させていた。そこに誰かが来る事も気付かないまま。

 「あら、面白い事をしているのね?」

 その声の主は、学園3番目の派閥の長、片奈だった。

 画鋲をしこんでいた人物は片奈を見る。

 片奈は何食わぬ顔で、自分の靴箱をあけ靴を履き替える。

 「別に止めは、しないわよ。やるならご自由に。ただ、止めるなら今よ。私も、あの下品な女に不満は持っていたけど、あなたかどうかは分からないけど、あの落書きを見て、この人たちと同類にはなりたくないって、本気で思ったわ。」

 片奈は自分が美由を呪った事をひとまず置いて、そう言った。

 「別にそのまま放置してても、チクリはしないけど。多分、一番に疑われるのは、この私だから、状況が悪くなれば、遠慮なくあなたの名を出すわよ。それと、あたが、何をしようが構わないけど。私達の品位を下げる事だけは止めてもらえるかしら?」

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