5話終わり。
「カメさんがんばれー。」
朋はカメの応援をする。
「ウサギ主もう少しですよ。」
「ウサギ、はよせんと、カメにまけるぞー。」
三者三様に応援している。
カメはもうすぐ、鳥居の前を捉えようとしていた。
このままでは、ウサギ主がカメにコースを塞がれ負けてしまう。
ウサギ主は大ジャンプをして、カメを一気に超え、滑るように鳥居を抜けた。
勝ったのはウサギ主だった。
ウサギ主は立ち上がり、雄たけびをあげた。
「あうー。カメさん負けたのです。」
「ウサギ主勝ちましたよ。」
「残念じゃのう。ヤツが負けるのが楽しみだったのに。」
ウサギ主は額の汗をぬぐう。
「ふう。危なかった。まさか、砂を本気で蹴ると、砂にズブズブ沈むとはおもわなんだ。」
ウサギ主は濡れて砂だらけの美由を見る。
「ん?魔法少女よ。何で、そんなに砂まみれなんだ?」
「ウサギ主が最初にあけた大穴を埋めてたらこうなったんです。下着にまで砂が入って気持ち悪いです。」
「それは、すまなかったな。」
朋はカメに近づき頭を撫でる。
「カメさん残念だったね。でも、頑張ったので偉いのです。でも、カメさん、地上でも足はやかったよ。カメさんと思えないぐらいはやかったのです。私より速いかも。」
「有り難う。嬢ちゃん。負けはしたが、その言葉で心がはれた。」
「えへへ。」
ウサギ主がカメのもとへと歩み寄る。
「カメよ。久々に良い勝負だった。礼を言うぞ。」
そういって、筋肉が浮き出るポージングをとる。
「こちらこそ、負けはしましたが、また修行して勝ちたいと思います。」
「おう、いつでも待ってるぞ。」
「では、解散しましょうか。私、家に帰ってお風呂に入らないと。」
「美由先輩。砂遊びをした後の子供みたいですよ。お母さんに見つかったら怒られますね。」
「そうだねぇえ。」