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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
5話 カメとウサギ
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朋と勉強

 放課後になり美由はいつもの様にすばやく校門へと向かう。

 後ろから、朋がパタパタ走りながら追いかけてきた。

 「美由先輩待ってください。」

 「あ、朋ちゃん。いつもご苦労さま。」

 二人は歩きはじめる。

 「美由先輩、昨日のカメさんはあの後どうしました?」

 「カメさんは無事に海に帰したよ。」

 「よかったです。日曜日楽しみです。」

 「朋ちゃん、かけっこ見に行くの?」

 「はい、もちろんです。美由先輩も行くんですよね?」

 「私は・・・。」

 美由は行ってもしょうがないので、行かないでおこうと思っていた。

 「もしかして、行かないつもりなんですか?行きましょうよ。」

 「うーん。仕方ないなぁあ。一緒に行こうか。」

 朋の残念そうな顔を見たら、とても断る事ができなかった。

 「えへへ。今度は海でデートです。」

 「雨ふらなきゃいいけどね。天気予報で雨になるようなこと言ってたから。」

 「ママが言ってました、二日後の天気予報が当たる確立は50%ぐらいだと。」

 「うーん。もっと、ある気もするけど。」

 「それと、ですね。美由先輩、この前の参考書の使い方を教えてほしいです。」

 「ああ、テストが終わったからね。もしかして、やる気が出たの?」

 「ぶー。実は今日帰って来たテストが赤点まじかだったのです。赤点では無かったんですが、このままじゃやばいです。」

 「あちゃー。」

 「だから、教えて欲しいんです。」

 「いいよ。今からでいい?」

 「え?いきなり、今からですか?」

 「うん。というより、こういうのは後回しにしたら、二度とチャンスは来ないからね。」

 「はい。どこでやりましょう?」

 「私はどこでもいいんだけど、朋ちゃんのウチとかは?参考書はウチでしょ。」

 「では、私のおうちでやりましょう。」

 「私は一度カバンを置いて着替えて来るから。朋ちゃんのウチはあの猫と戦った公園近くの市営住宅だったよね。」

 「はい。」

 朋は自分のウチがある場所を美由に伝えた。

 「では、朋ちゃん、家に帰って勉強の準備をして待っているのです。お菓子とか飲み物とかは用意しないように。」

 「なんでですか?」

 「サボる理由に使われるから。」

 「あうー。」


 美由は着替え朋のウチにやってくる。成美矢の表札ですぐに朋の家はわかった。

 押しベルを鳴らすと、すぐに朋が出てきた。

 「よ。朋ちゃん。来たよ。」

 「美由先輩あがってください。」

 「ではおじゃまします。」

 朋の勉強机に向かい朋を座らせる。白本4冊とノートが置かれている。

 「まず、数Ⅰをひととおり、やって次に数Aやってその次に数Bをやって、数Ⅱをやる順番でやったほうがいいよ。と、言うわけで他の3冊はしまいなさい。」

 「はーい。」

 そう言って本棚にしまった。

 「朋ちゃん、今から大事な事を教えるね。」

 「なんですか?」

 「勉強に一番邪魔なモノはね。実はプライドなの。」

 「プライドですか?」

 「そう、私立の有名進学校に入学した実力があるとか、思い込んだらまず負けだから。」

 「はい」

 「だから、自分は何も知らないと心に刻みなさい。」

 「自分は何も知らない。」

 「そう。まず、その覚悟をもたないと、勉強しても意味がないよ。私もそこそこのプライドがあったから、それで何ヶ月も無駄にしたの。だから、自分は何も知らないことを認めるのが大事なの。」

 「わかりました。」

 美由は白本のページをめくり指差す。

 「この赤字で難問と書いているのは今はやらなくていいから。本を一周してからやったほうがいいよ。問題が解けないで止まっているとやらなくなるから。最初は基礎的な概念をだけを押さえて先にとにかく進む事だけ考えて。まあ、でも、この白本の難問が解けないとウチの学校じゃ良い点とれないけどね。」

 「はい、がんばるのです。」

 「では、がんばりたまえ。」

 美由はページを指し、ここのページを理解したら言って、練習問題はやり方にコツがあるから一緒にやろ。」

 「はい」

 「数式を見て、1段目と2段目の変化を見て、なぜ、こういう風に変化しているのかを考えてやってみて。」

 「いきます。」

 「美由ちゃんそっちのちゃぶ台の方を借りるよ。私も勉強するんで。」

 「どうぞ。」

 美由はリュックから緑本数Ⅱを取り出し、勉強をはじめた。

 10分ほどして朋はが美由を呼ぶ。美由は立ち上がる。

 「では、下の問題をやっていこう。えっと答えはこのページか。朋ちゃん。このページを握って。」

 朋は美由が空けた答えのページを押さえる。

 「一問やったら、即、答え合わせ。いい?」

 「はい。」

 朋は問題を解き始める。最初の問題はあっていた。

 二番目の問題は間違っていた。

 「あうー不正解でした。」

 「引っ掛け問題というほどでもないけど、-があるでしょ。これでここが変わるでしょ。」

 「ああ、なるほど。」

 「このまま第二問の答えが間違ってたさあ、次ってやったら、駄目なの。この問題に引っ掛け部分を良く理解しないといけないのね。だから、もう一回やってみて。」

 今度は正解する。3問目に取り掛かる。また不正解だった。

 「ほら、これはこうやるの。さっきとは別の引っ掛け部分があるんだよ。でも、懐かしいなぁあ。私も似た間違いをしたなぁあ。」

 「へえ。」

 「ほら、もう一度とく。」

 「はーいがんばる。でもめんどくさいですね。」

 「そうだよー。」

 今度は正解する。4問目にとりかかる。

 「今度は、2番と3番の引っ掛けが同時に出てるでしょ。」

 「こういう風に問題が出る毎に引っ掛けのレベルがあがっていくから、1問1問答えを確認して、間違ったら、やり直して理由を理解していかないと問題が解けないようになってるのね。」

 「わかりました。」

 美由はこの後1時間ほど朋に勉強を教え、自分の家にかえっていった。

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