テスト四日目(最終日)朋、カメと出会う。
テストは三日目が過ぎ、四日目になり終わりを迎えた。
地獄のテスト期間が終わったのである。
最終日で明日はテストは無いのだが、先生の採点のため午後は休みだった。
朋は美由を追いかけるために、素早く教室を出て校門に向かった。
珍しく美由はまだ来てないらしく、朋は校門前で待つ事にする。
周囲を見ると、不思議なモノがゆっくりと歩いているのに気づく。
それはカメだった。
体長50cm程のカメだった。
朋は座りこみ、カメの頭をツンツンつつく。
「こりゃ。何をする。このいたずらっ子め。」
「わあ。」
カメがしゃべったので、思わず転んで尻餅をついた。
「カメさんがしゃべった。」
校門から何人かの生徒が出てくる。校門で尻餅をついている朋に冷たい視線が刺さる。どうも、みんなカメが見えて無いらしい。
「そこのいたずらっ子。私が見えるのか?」
朋は体制を起こし、カメを見下ろす。
「ぶー。いたずらっ子では無いです。」
「カメを見て、いきなり頭をつつくだけで十分だ。浦島太郎をしらんのか?」
「それくらい知ってます。あ、私、あのカメをいじめた子たちと同じなのか。ごめんなさい。」
「わかればよろしい。ところで、道に迷ったんだが、ここら辺にでっかいウサギはいないか?」
「ウサギさん?見たことあるよ。」
「何処にいる。」
「しらなーい。でも、美由先輩なら知ってるかも。」
「おお。」
「待ってて、もう直ぐ来ると思うから。」
しばらく待つと、美由が校門を通る。
それを見た朋は、手をあげる。
「美由せんぱーい。」
そう言ってカメを両手で持ち上げ。
「カメさん拾った。」
美由はカメを見る。どうみても化け物だった。
「朋ちゃん。何でも拾っちゃ駄目でしょう。」
「あうー怒られた。」