4話終わり
大きくなった白猫は、逃げる蛙主に追いつき、噛み付こうとする。
その時、テラミルが白猫の頭にキックを入れ、白猫は地面に顔を叩き付けられた。
「蛙主大丈夫ですか?」
蛙主はテラミルの頭に飛び乗る。
「お前さんの方こそ、大丈夫か?かなり神石の力を吸収したが。」
「はい、大丈夫みたいです。それどこか、大分パワーアップしたみたいです。」
白猫は起き上がり、首を振るったあと、テラミルめがけて体当たりをしてくる。テラミルは飛ばされるが球体シールドの防御力があがっているため無事着地する。
「みたいじゃの。」
ウサギ主と大きくなった黒猫がやってくる姿が見える。
「よいか?戦おうとするな。とにかくかわせ。」
「はい」
テラミルは猫の攻撃を体を大きく振り後退しながらかわしていく。攻撃は早いが直線的なのでパワーアップしている今なら、かわすはたやすかった。だが、ジリジリと後退を迫られていき、壁へと追い詰められた。
猫は一気に飛びかかってくる。テラミルは腕をクロスし顔を隠す。
すると、直径3メートルほどの緑色に輝く巨大なコンタクトレンズの様な形状をした盾が現れ、猫を止める。その緑色に輝く巨大な盾は蛙主が神石の力を引き出して出したものだった。
猫と盾の間で火花が散る。猫は盾の押し返そうとする力に喰らいつき前に進もうとする。
蛙主は辛そうな表情で盾を維持し続けていた。
テラミルは目を開き、クロスした腕の間から外の世界を見た。目の前では光の火花が眩い光を放って猫の前進をとめているのが見えた。
ウサギ主は白猫に飛び乗り猫の首をつかみ、落とそうする。
流石にきついのか、猫は前進を止め、体を大きく振り、ウサギ主を払い落とそうとする。ウサギ主は喰らいつき耐えるが、体が横にすべり、脚が地面につくがそれでも、腕を首から離そうとしない。
黒猫は白猫の腕に噛み付いた。白猫は黒猫を放そうと、腕を振る。黒猫は簡単に持ち上がるが噛むのを止めようとしない。
「魔法少女よ。ひとまず隠れるぞ。」
「ええぇえ。逃げるんですか?」
「そうとも言う、ひとまず、作戦タイムじゃ。」
そう言って、グランドまで移動し、手洗い場の裏に体を隠した。
「どうします?蛙主。」
「ほっとくというのはどうじゃ?」
「駄目ですよ。あんなのを街に放ったら、何人の死者がでるかわかったもんじゃないです。」
「いい作戦だと思うんだがのう。どうせ、猫は元々長くは戦えん。しかも、あれだけの力を使っておる。肉体の破綻はかなり早いと見るんじゃが。」
「では、破綻するまで、足止めするしかないのでは?」
「無理な気もするが、仕方ないのう。」
テラミルは立ち上がり、水飲み場から体を出し、グランドの中央へと移動する。ウサギ主と黒猫を振り切った白猫がグランドに現れ、二人に向かってとびかかってくる。
蛙主は巨大な緑に輝くシールドを展開して、猫の攻撃を防ぐ。
猫は構わず前に進んでくる。
「駄目か?」
蛙主はあきらめモードになる。
「何を弱気な。」
蛙主のシールドが一気に弱くなる。
テラミルは体を横に振り、猫の攻撃をかわした、そして、猫のわき腹に触れ、一気に精神吸収をかけた。
白猫は激しくもだえたため、テラミルは飛ばされる。自動的に発動した球体シールドのため、蛙主が頭から弾き飛ばされる。
「蛙主。」
蛙主は地面に何とか着地する。
「わしのことは気にするな。それより、かなり利いているぞ。」
「はい」
テラミルは起き上がり白猫を中心に反時計回りで体を移動させ、白猫に近づき、手を触れ精神吸収をかける。
猫は飛びのき距離をとった。
『確かに利いている。』
テラミルが飛び掛ろうとした瞬間だった。
白猫の体がじょじょに薄くなりだした。彼女の体はじょじょに小さくなり、横に倒れ動かなくなる。そして、完全に存在が消えた。