白猫との戦い
白いメス猫は学校の裏庭の真ん中で、白い珠を見つめていた。
白い珠は青白い輝きをかすかに帯びている。そのため、暗闇の中でも白い珠がハッキリと浮かんで見えた。
『もうすぐ、この石は目覚める。この輝きを見ればわかる。早く目覚めて。あいつらが来る前に。』
彼女そう思っていると、どこからとも無く、石が猛スピードで飛んで来て白い珠をはじいた。
白い珠は、彼女の目の前から消える。
彼女は、石が飛んできた方向を一度見た後、振り返り白の珠を追いかける。
隠れていた美由は蛙主を頭に乗せながら、テラミルに変身し、超加速を使い珠を追いかける。
白の猫とテラミルはほぼ、同時に珠に追いつき、テラミルの手が先に珠を握った。
テラミルが珠を握ると、珠は強い輝きを放つ。
「魔法少女何をやっとる。」
蛙主がテラミルの頭をバンバン叩くが反応が無い。
「魔法少女、手を離せ・・・。いかん、魔法少女に神石の力が流れこんでおる。」
蛙主は魔法を使い、テラミルを強制的に眠らせる。
テラミルは倒れ美由へと戻るが、神石の力の流れが止まらない。
蛙主は美由の手から強引に神石を引き離す。次の瞬間、白の猫が蛙主に体当たりして突き飛ばし、白い珠をくわえた。
『これでやっと、終われる。』
『いかん暴走が始まれば、この魔法少女が最初の犠牲者になるぞ。』
白い猫の体がどんどん大きくなり、大人のオスライオンぐらいまで大きくなった処で、ウサギ主の右ストレートが白猫の顔面を直撃し、神石が口から落ちた。
蛙主は美由も神石の魔力を吸収した事など気にもとめず、美由に目覚めの呪文をかけ目覚めさせる。
美由が目を開くと、目の前にはオスライオンぐらいの大きさになった白いメスライオンの様な生物がいた。
ウサギ主は左のパンチを叩き込もうするが、白猫の前足の攻撃を喰らい3m程飛ばされた。
美由はテラミルになる。次の瞬間、白いメス猫はテラミルに向け腕を振る。テラミルはかわそうとするが間に合わず、モロに喰らい球体シールドを発動しながら10m程飛ばされた。
蛙主はその間に白い珠を回収に成功したが、今度は、蛙主が標的にされる。
傷だらけの黒猫は、大型犬ぐらいの大きさになり、猫の首元へと噛み付く。だが、猫が首をふっただけで、簡単に叩き落とされる。
逃げる時間を与えられた蛙主は、珠を握りながら二本脚で全力で中庭へと向かった。
それを、白猫は追いかけ様と体を切り返した。
傷だらけの猫は白猫の尻を両腕でつかみ横に倒そうとし、ウサギ主は首と肩を掴み同じ方向へ押し倒そうとするが、あまりに強い力で払いのけられる。
蛙主は全力で逃げながら叫ぶ。
「神石をほとんど、吸収しておらんのに、何じゃこの力は。そして、何故、ワシを追いかける。」
それは神石を握っていたからだった。
テラミルが握れないことが分かった以上、今の状態で神石が握れるのは蛙主しかいなかった。
タヌキ主が猫に飛ばされ倒れて、起き上がろうとしているテラミルに近寄る。
「魔法少女よ、大丈夫か?神石の力を吸収したが、体に変化は無いか?」
「はい。今のところは特には。でも、かなりパワーアップしたみたいです。行きます。」
そう言って、超加速で猫の後を追った。