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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
4話 神石
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白の猫と白の珠をさがす。

 蛙主はテラミルの頭の上に乗りながら目を閉じる。姿勢を低くくとり、彼女の頭にべったりと張り付いた。

 10秒ほどの時間が過ぎ、蛙主は目を開け、姿勢を戻した。

 蛙主は不思議そうな顔をしてながら、首を横にひねった。

 そして、美由の頭をポンポン叩きはじめる。

 「魔法少女その1よ、お主が放出している力が邪魔で感知できん。元に戻れ。」

 「分かりましたから、頭をポンポン叩かないでください。」

 テラミルは美由に戻った。

 「はい、これでいいでしょう。」

 蛙主はまた目を閉じ、そして目を開ける。

 「ここら辺には無い様じゃの。」

 「そうですか。」

 黒猫は残念そうにそう言う。

 「どうしましょう?蛙主が感知出来ないんじゃ、私はこの姿でいるしかないような。でも、テラミルじゃなかったら、高速に動きまわれませんよ?」

 二本脚で立っていたウサギ主が、4本脚で立つ。

 「みんな、ワシに乗れ。」

 美由はこの前の猫の暴走の時に乗った事を思い出す。

 『うーん、また、あのロデオの様な体験をしなくてはならないのか。」

 蛙主は弱った顔をしている。

 「せっかく、お前さんの背中に乗らんで済むと思っておったのにのう。」

 「蛙主もウサギ主の背中に乗った経験があるのか。」

 「死ぬかと思ったぞい。」

 「ほら、皆、四の五の言わず乗れ。他に手は無い。」

 みんなうんざりしながら、乗る。

 ウサギに蛙と人間とタヌキと猫が乗っている中々シュールな状態になった。

 ウサギ主は、前と同じで乗っている人の事など考えず、荒い走りで駆け出した。

 「ふ、振り落とされる。」

 「こんくらい根性で我慢せい蛙主。」

 「出来るかー。」

 でかいウサギは更に加速をした。



 街のあちこちに移動するが、感知にひっかからない。

 みんなが、ウサギ主の荒い走りにヘトヘトになっていたし、蛙主の感知能力を疑いはじめていた。

 「本当に蛙主、神石の感知能力あるんですか?」

 「五月蝿い。しばらく使ってなかったから、感が鈍っているだけじゃ。ここら辺にも無い様じゃな。」

 『大丈夫なんだろうか?その言い分は、かなり不確かなものに感じてしまう。』

  美由たちが通う学校の近くに来た時、初めて、蛙主は神石の力を感じた。

 「む。神石を感じるぞい。どうも、魔法少女の学校の中らしいのう。」

 ウサギ主はそれを聞くと、猛加速をはじめる。

 学校のフェンスが現れるが、ウサギ主はスピードを落とさない。フェンスは3m程あり、有刺鉄線が張られている。

 「まさか、ウサギ。お主、あそこを飛び超えるつもりか。」

 「まさかとは何だ。もちろん越えるに決まっておろう。」

 「あの、有刺鉄線が見えんのか、あそこに突っ込んだら、みんな大怪我するぞい。」

 「そんなものは気にする必要は無い。この鍛えた筋肉があんな鉄の線を破るなど雑作もない。」

 『いや、あなたはいいでしょうけど、他の人たちはそんな頑丈には出来てない。』

 ウサギ主はジャンプし、フェンスを軽々と超え、グラウンドに大きな音を立てて着地し、5mほど地面を滑った。美由とタヌキ主はその衝撃で、手を離してしまいグランドに転がる。

 「ウサギ主様。少しは上に乗っている人の事も考えてください。」

 「すまんすまん。」

 美由は学校のグランドを見回した。誰一人いないし、電気が消え暗く静まり返っている。

 『この学校は猫の化け物に呪われてるなぁあ。』

 「さて、どうも、裏庭の方みたいじゃの。ここまで近づくと精神を集中せんでも分かる。」

 そう蛙主が言う。

 「・・・・・。いかなぁあ。どうも、もう直ぐ、石が目覚めるみたいじゃ。」

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