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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
4話 神石
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テスト二日目

 一学期の中間テスト二日目である。


 朋は昨日の夜は一生懸命勉強したが、結局、覚えきれず、早起きして挽回すると思たら、いつもの時間に起床した。

 登校からテストが始まるまで、必死にノートにかじりつき、付け焼刃でテストを受けていた。



 美由の本日最後のテストは化学であった。この学校の理科の選考は化学と地学 物理と生物に分けられていた。

 彼女は本当は、地学と生物を取りたかったのだが、選考を決める時に何故だか地学と生物に圧倒的人気が集まったため、最初の辞退者募集の時点で名乗り出て、化学と物理をとった。

 地学と生物はいつもの教室だったが、化学と物理は何故か理科の実験教室で試験を受ける事になった。

 化学のテスト問題は業者の作ったものであった。

 大学受験を意識したつくりで、独特の問題を読むだけで苦労する作りなっていた。


 化学のテストが終わる。

 「ふー。」

 美由はため息をついた。

 問題は習った処を覚えていれば、解けない事は無い問題だったが、出題者の意図という名のトラップが仕掛けられた難解な文章を解読するのに疲れ果てていた。

 『もっと、問題にこなれないと駄目だな。今日は最後まで解けたけど、理解するのに時間がかかりすぎる。こんなんで、本当に受験に間に合うんだろうか?』


 理科の実験室は別館にあった。

 化学の試験が今日、最後のテストだったので、このまま帰宅しても構わないのだが、カバンを教室に置いたまま、この理科の実験室まで来てしまった。

 カバンを持ってくれば良かったと、今更、後悔する。

 本館の自分の教室まで戻らなくてはならない。

 気分転換に最短のショートカットルートではなく、裏庭を通るルートで自分の教室に戻ることにした。

 裏庭を歩いていると不思議な光景を見た。

 茶トラの猫と女子高生が(たわむ)れているのだ。

 何故、不思議かというと、その猫は先日、女子高生を気絶させた化け猫だし、その猫と(たわむ)れているのは、その猫に気絶させらた女子高生だったからだった。

 猫は横になり、彼女にお腹を見せ完全服従状態で、のど元をくすぐられ玩具状態だった。


 『不思議だ。つい数日前、襲った者と襲われたがあんなに仲良く。私ならどちらの立場であろうと、確実に疎遠になるな。』


 猫を(もてあそ)んでいる子は、この学校で成績なら一番のガリ勉少女で有名な、美由のクラスメイトである。

 『普段はあんなにギスギスした人なのに、猫の前ではこんなに無邪気な少女の様な姿を見せるのか。』

 この猫は化け猫である。当然、存在が薄い。

 だが、この茶トラの化け猫は、人間がハッキリ認知できるまで存在を強めていた。

 『そう言えば、傷だらけの黒猫が言ってたな。あの日、突然、化け猫になって、その時に餌をいつもあげている子を見つけて、飛びついたら、精神吸収が発動したって。あの時は朋ちゃんがガラミンになって、それどころじゃ無かったから思考が回らなかったけど、良く考えてみれば、こうした不思議な組み合わせになるんだよなぁあ。』※2話が終了した時の改変で、この会話が追加されています。

 美由はふと思った。

 確か、今、猫はかなり大きなトラブルを抱えており、自分を監視できない程、人手が足りなかったはず。それなのに、あの傷だらけの黒猫に引き取られたはずのこの、茶トラ猫は女子高生と戯れている。

 『おかしい。』

 美由はそのまま、一匹と一人に近づいていった。

 彼女は猫と遊ぶので一生懸命の様で、後ろから近づく美由に気づいていない。

 「ねぇえ。この猫とお知り合い?」

 美由は、相手が気づいて無いと知りつつも声をかけた

 「きゃ。」

 彼女は10cm程飛び上がり、美由の方を向いた。

 「な、な、何ですか?」

 『まさか、こんなに驚かれるとは思わなかった。』

 「いえ、猫さんかわいいなぁあって。」

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