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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
4話 神石
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テスト前日の日曜日(2)

 成美矢 朋のウチは、公営住宅の中にある。

 無骨なコンクリートで作られた5階建ての建物の中に、朋の家がある。

 昼過ぎに朋と仲良い友達である鈴木 あずさ・田中 佐和(さわ)・佐藤 絵里(えり)の3人が、テスト勉強のために朋のウチにやって来てる。

 ピンポーン

 朋は入り口で待ち構えていたので、直ぐに鉄の扉を開け、笑顔で三人を出迎えた。

 「いらっしゃーい。みんなぁあ。」

 「おっす。朋。」

 「こんにちわ。」

 「入って、入って。」

 朋はそう言って、玄関の扉を押さえながら、体を後ろに引いて、みんなが家の中に上がれるだけのスペースを作る。

 「おじゃましまぁあす。」

 「あれ?誰もいないの?」

 「今日はパパとママは仕事が無いから、街でデートしているのです。夕方ぐらいには帰ってくるんじゃないかな?」

 「おお、お熱いねぇえ。」

 「えへへ。というより、ウチ狭いから、みんなで勉強するのにいたら、邪魔だろうって、気を使って貰ったんだ。」

 


 勉強会がはじまる。

 みんな、各自持ち寄った、過去の先生の出題パターンや、別のクラスの子から聞いた出題予定情報などを整理していく。朋は情報をほとんど持って無いので、あまり役に立たない。

 みんな数日前から放課後とかに、他の生徒から情報を聞きまくっており、かなりの情報が集まっていた。

 「さて、他のクラスなんかから集めた先生が出すと言ってた処と、出題される可能性の高い処はひとまず分かった、そこを集中して検討してこう。」

 そう、鈴木 あずさは提案する

 「はーい。」

 残り三人も同意した。

 「まず、現代社会だけど・・・・。」


 そんなこんなで、一時間ほどが過ぎる。

 朋はみんなと勉強会をして思った。みんな自分より頭が良いなと。

 しかし、実際は、朋は錯覚をしているだけだった。

 みんな、それぞれ、得意分野があり、得意分野は一応、皆に教えるために前もって準備していたし、得意分野しか口を出さないので、朋みたいに表面だけを見てれば、確かにそう感じるのだった。

 だた、得意分野が何も無い朋は、駄目な子なのは違いはなかった。

 『うー、よく、私、この学校に入学できたな。塾とかに通って、いっぱい勉強したけど、それでも、中学の先生なんか、この学校は落ちる可能性が高いとか言ってたし・・・。それでも、私立は受験日が重ならなければ、何校でも受けられるんだから記念に受けて来いと言われて、行ったら、合格してしまって、中学のみんなから、奇跡とか言われたし。』

 身の丈に合ってない学校に来るって凄く大変なんだと、今更、思い知った。

 もう、入学してしまったのだが、しょうがないと割り切る事にする。

 朋はほっぺを叩き、自分に気合を入れる。

 「よし、赤点とらない様に、がんばるぞぉお。」

 「おお、朋、やる気だなぁあ。志は低いけど。」

 「そのいき、そのいき。」

 「がんばるために、ここは休憩して、お菓子を食べよう。」

 そう朋が言い出す。

 「いきなり、心が折れたな。ま、いいや。休憩しようよ。」

 「あたまを使うには糖分がいいと言うので、オレンジジュースと、チョコレートを用意したのです。」

 朋は誇らしげに言う。

 「おお、いいね。いいね。」

 そう言って、冷蔵庫に向かった。

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