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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
3話 派閥と人気と恨みと
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作戦会議

 美由はトイレに駆け込み、個室に入って、テラミルに変身し、呪いを中和する。

 テラミルから美由に戻り、手を洗う。

 『まいったなぁあ。彼女の近くは、あんなに力が強いのか。』

 



 美由は、朋と蛙主が待つ裏庭に帰ってきた。二人は並んで座り、お話をしている。

 朋は美由を見つけると、笑顔で手を振った。

 「みゆせんぱーい。」

 「はい、はい。」

 朋は立ち上がる。

 「どうでした?」

 そういいながら、興味深げに美由を見上げている。

 「犯人はわかりました。」

 美由はあえて、名前を言わなかった。下手に情報を与えると、彼女が口をすべらせ、大事に発展しかねないと判断したからだった。

 「ほう。で?魔法の道具は何だかわかったか?」

 「はい、指輪でした。緑色の宝石に金のリングでした。」

 「では、早速、壊しにいきましょう。」

 朋は張り切ってそう言う。

 「こら、魔法少女その2よ。お前さんは人の話を聞いておらんかったな。相手と魔法の道具が分かったら、相手が見え無いものを見る目を持っているかどうか調べるのが先だと言ったじゃろうが。それも、もう少し、細かい情報を聞いたあと、作戦をちゃんと練ってからじゃ。」

 「あうー。」

 「その指輪は金のリング部分に、髪の毛が巻きつけられいました。多分、私の髪の毛です。」

 「なるほどなぁあ。正確におまえさんに呪いを送る事が出来たのは、そのためか。」

 「髪の毛で正確に相手を狙えるんですか?」

 朋は不思議そうに利く。

 「魔法では結構メジャーな手段じゃ。相手の肉体の一部を使って、力を誘導するんじゃ。かなり、複雑になるが、ほぼ確実に相手を狙える。で、他には何か気づいた事は無いか?」

 「まず、蛙主が言った通り、その人に近づくにつれ、呪いの力は強くなりました。魔法の道具を確認しにかなり近づいたんですが、一瞬、気を失いかけるぐらい気持ち悪くなりました。今までは授業だったので、その人と私とは距離があったので、あの程度ですんだんだと思います。それと、最初、私が気持ち悪くなった時より、かなり、呪いの力が増している様に感じました。」

 「ふむ。時間がたつにつれ段々に力が増していると。」

 「はい、それと、蛙主。その人の指輪なんですが、私はハッキリ見えたんですが、良くみると他の人には見えない様になってました。あれは何ですか?」

 「さあ、わからんなぁあ。推測は出来るが、聞くか?」

 「はい、是非」

 「今から、わしが存在を薄めるぞい。」

 美由は『何故?』と、思ったかが、何か意味があるんだろうと思う事にする。

 蛙主は、美由では見るのが辛いぐらいに薄くなる。

 「カエルさん、あんまり見えません。」

 「もっともっと、見えなくなれるぞ。では、魔法を使うぞ。」

 そう言って、魔法を唱えはじめると、蛙主がハッキリと見えるようになった。

 蛙主は魔法を唱えるのを途中でやめる。

 すると、また見え難くなる。

 そして、蛙主は存在を強めた。

 「どうじゃ?見えたじゃろ。魔法を発動すると、お前さん達みたいな見えないものが見える目を持つものは、ハッキリ見える様になるじゃろ。多分、これだと思うぞい。魔法少女がハッキリ見えるのも、魔法力が外に出てるからだとワシは思っとる。」

 「大体分かりました。ところで、その人はどこで、あんな指輪を手に入れたのでしょ?」

 「ワシが知るか。どこのどいつかも知らんのに、そんな事。」

 「もしかして、悪の魔法秘密結社が、何かの目的で、その人に渡したのかもしれませんよ。」

 そう朋が真面目そうな顔で言う。

 「そんな、変身魔法少女アニメの様な展開がそこら辺にゴロゴロしているとは思えんがのう。そんな連中が来ているのなら、ワシの処に噂が届いておってもよさそうじゃろうし。まあ、今は、指輪の出所を考えていてもしょうがない。それより、どうやって指輪の能力を破壊するかを考える方が先じゃ。」

 「ですね。」

 「で、そいつは見えないものが見ええそうか?」

 「わかりません。実際試してみない事には・・・。そろそろ、授業が始まりそうですね・・・。どうしましょう?」

 「わしが、授業中に試しておいてやる。」

 「分かりました、よろしくお願いします。」

 そこで、解散になった。途中まで、二人と一匹は一緒に歩き、朋が自分のクラスに行くため離れる。

 「さて、嬢ちゃんも居なくなったし聞くかのう。お前さんが、人物を特定できる情報を微妙な言い回しで避けていたのは、そのためじゃろ。で、魔法少女よ。そいつはどんなヤツじゃ?男か女か?」

 「女性で、同じクラスの子です。この学園の三大派閥のひとつの長をしています。この学校で、私が新たに派閥を作るというデマが流れて、それを勘違いして、彼女がこんな事をしたんだと思います。彼女、プライドが高いですから、私みたいな人が、派閥を作るという話が耐えられなかったんだと思います。」

 「うーん。何か、話が足りない気もするが」

 「どういうところがでしょう?」

 「派閥なんて、幾らでも立つもんじゃろ。いちいち、そいつらに呪い何て使っていたら、命が幾つあってもたらんぞい。」

 「それも、そうですね。」

 「まあ、理由はそうなのかもしれんし、実は知らず知らずの間にお前さんが、別の理由で恨みを買っていて、派閥の件を引き金にして、一気に爆発したのかもしれぞ。」

 「私、彼女とあんまり話した事が無いんですけどねぇえ。」

 「人の恨みはどう買うかわからんぞい。」

 美由は片奈 麻奈加の特徴を伝える。

 「席は、窓際の一番後ろです。」

 「大体分かった。何とかしよう。」

 二人は無言になり、歩き続ける。

 「ところで、蛙主?このまま私と一緒に教室に行くつもりですか?」

 「うんにゃ。そこのトイレでしばらく待つ。」

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