表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女ガラミン  作者: からっかす
3話 派閥と人気と恨みと
31/270

蛙とお弁当

 「それは、問題ですね。ますます、問題が難しくなる。」

 テラミルは、朋の頭の上に乗っている蛙にそう話す。

 「まあ、見えんかもしれんが、見るかもしれん。相手を見つけたら、ひとまず、探りを入れんとな。」

 「蛙主を見せて、反応を見るとかどうですかね?」

 「もし見えたとして、相手に警戒感を与えるだけだと思うが、下手にそいつが騒ぎ立てれば、我々化け物の立場も危うくなるしのう。」

 「猫さん達に頼んだらどうですか?」

 朋はそういった。

 「猫は駄目じゃろうなぁあ。あやつらは、自分の利益になる事しか協力せんから。それにここ数日、猫は騒ぎすぎた。おとなしくしてた方が奴等のためじゃろう。」

 「では、どうしましょう。」

 「お前さんが魔法少女に変身すればどうじゃ?」

 「向こうは私に注目しているのに、魔法少女に変身すればもっと警戒されると思いますが。」

 「こういうのは。どうですか? 一瞬、相手が気のせいと錯覚するような魔法を隠れてつかって、反応を見るとか。」

 そう朋が提案する

 「おう、それは、いいのう。まあ、それは置いて、魔法少女その1よ、探しにいってこい。」

 「どうやって探すんですか?それと、私一人なんですか?」

 「わしがついて行ったら、もし相手が見える場合、問題があるじゃろ。それと探し方は簡単じゃ、お主が元に戻って、気分が悪くなる方向へ向かえば、きっといるはずじゃ。」

 「私の感覚ってそんな、優秀じゃないんですけどね。」

 「色々な場所にいけば、大体の予測はつくじゃろ。学校中を回って、気分が強く悪くなる処が大体わかるじゃろ。さっきも説明したが、遠距離での魔法は距離が離れれば効果が薄くなる。学校をぐるっとまわって、強くなる部分をチェックして、そこをつないだ中心に相手がいるじゃろ。」

 「わかりました。」

 「私も行きます。」

 「朋ちゃんは待ってて、巻き込みたく無いし、相手が3年の教室にいたら朋ちゃん困るでしょ」

 「はい、わかりました。」

 朋は残念な顔をする。少し心が痛んだが、テラミルは美由に戻り、気分が悪くなる方を探しに向かった。





 「腹が減ったのう。」

 「そうですね。あ、私、お弁当がありますよ。」

 そう言って、隅に置いてた自分のお弁当を取りにいく。

 「おお、それはありがたいのう。」

 朋は、お弁当を広げ、蛙と一緒にお弁当を分け合い食べる。

 「ところで、化け物の立場が悪くなるって、何ですか?」

 朋は、箸を口にあてながら聞いた。

 「化け物が目立てば、人間にとって邪魔じゃろ?居ると知れば駆除したくなるじゃろ?」

 蛙主は冷凍ハンバーグを食べながらそう言う

 「蛙さんみたいなのなら、私は、別に。」

 「うーん。たとえば幽霊が見たら怖がるじゃろ。」

 「幽霊怖いです。」

 「幽霊が特に人間の害にならなくても、居ると嫌じゃろ。それと同じで、居るとわかれば、駆除したくなる連中が結構いるんじゃよ。」

 「なるほど。」

 朋はご飯を口に運び、咀嚼する。

 「化け物が居るとわかるだけで、駆除まで行動を移すのは稀じゃが、害をなすとなると、流石に駆除をするため、本気で動くじゃろ。」

 そういって、弁当のプチトマトを蛙主はつかみ、飲み込む。

 「確かにそうですねぇえ。」

 「それにじゃ。化け物がいるという情報を聞きつけ、駆除をする事で金を稼いでいる連中がおってな。そいつらに見つからんようにしているというわけじゃ。」

 「化け物さんも大変なんですね。」

 蛙主はから揚げを食べる。

 「あー蛙さん。私、から揚げたべたっかのに。」

 「もう口の中じゃから駄目じゃよ。」

 「あうー。そういえば、食べる時は、見える程までには存在をあげてないんですね。」

 「まあ、結構、存在を強くはせんと食べる事は出来んが、見える程まであげる必要は無いのう。」

 「そう言えば、存在を強めるとか薄めるとかどんな感じなんですか?」

 「存在を薄くすれば、薄くする程、物質へ力を伝える事が難しくなる。空気とかの影響はそこまで無いのじゃが、ある程度、形があるものは、重くなって動かし難くなるという感じかのう。そして、ある一定のレベルまで薄くなれば、全くモノが動かせんようになる。そして、それ以上薄くなると、ある時、突然、物体を透過できるようになるんじゃ。まあ、物体の透過まで出来るやつは、化け物でも滅多におらんがのう。」

 「蛙さんはできるんですか?」

 「わしか?できるぞい。でも、結構、大変なので滅多にやりはせんがのう。」

 「へぇえ。」

 お弁当を食べ終わったので、「ごちそうさまでした。」といって、フタを閉め、青と白のチェックのハンカチにお弁当箱をくるむ。

 「ところで、蛙さんって、何で美由せんぱいに協力するんですか?さっき、猫さんは駄目だって。」

 「うむー。仲が良いのもあるが、あやつは意外とドジっ子じゃからのう。ほっとくと、どんどん悪い方へい行ってしまう。今日だってそうじゃ。」

 「ほっとけないんですね。お母さんみたい。」

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ