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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
3話 派閥と人気と恨みと
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会議

 蛙のクワクワという鳴き声が、学校の隅で響く。その横に朋と美由が立っていた。

 「これで、蛙さんが来てくれるんですか?」

 「多分ね。」

 「どうやってくるんですか?走ってくるとか。」

 「あんな山の中から蛙が走ってこれるわけないでしょ。蛙主は瞬間移動が使えるの。」

 「へぇえ、蛙さんはワープが出来るんですね。でも、猫さんの時はワープが使える気配なんてありませんでしたよ?そしたら、猫さんから逃げられたのに。」

 「発動に時間がかかるからねぇえ。存在が薄いとはいえ、自分の肉体を移動するわけだから、それなりのコストと準備が必要なのよ。」

 「良く分からないですが、でも、ワープするには時間がかかるのは分かりました。それより美由先輩、体の方は大丈夫ですか?」

 「大丈夫ではないかな。さっきよりは、ちょっとマシな気がするけど、気のせいかもしれないし。」

 「私は、何にもできませんが、頑張ってください。」

 美由は朋の頭を撫でる。

 「ありがとう。朋ちゃんに応援されると、不思議と元気が出るよ。」

 「えへへ。」

 蛙主が突然、目の前に現れる。蛙主は何もしゃべらず、ジーっと美由の顔を見つめる。美由も何も話さず蛙主を見ている。

 「何じゃ。魔法少女その1よ。この嬢ちゃんは、もう巻き込まんのじゃ無かったのか?」

 「そういう、あなたも二日前に巻き込んだでしょ。」

 「それと、これとは別じゃ。」

 「あなたを呼び出そうと思ったら見つかってしまって・・。断るわけにもいかなくなったんで。」

 「随分、決意が弱いのう。完全に拒絶するぐらいの覚悟をもたんかい。」

 「すいません。」

 「あうー。美由先輩に拒絶されるのは嫌です。これから気をつけます。」

 「さて、何じゃったかな?そう言えば、魔法少女その1よ。顔色が悪いぞ、どうした。」

 「蛙主。あなたは、何しにここに来たんですか?蛙の方に、魔法的力で、体調が悪くなったからアドバイスが欲しいと伝えたはずですが。」

 「そうじゃったのう。お前さんの熱でうなされる寝姿を拝みに来たんじゃった。随分、色っぽいじゃろうに。」

 「そういう、エロい考え辞めてください。」

 「わしの生きがいじゃからしかたあるまい。」

 「それより、調べて貰いますか?」

 蛙主はジーっと、美由を見つめる。

 「何か魔法的な力がお前さんの周りを包んでいる様じゃが、触ってみんと良くわからんのう。」

 「どうぞ。」

 蛙主は足をスケベな手つきで触る。美由は飛びあがる。 

 「何するんですか、このスケベガエル。」

 「いや、気持ち良さそうな足だったんで。」

 朋はしゃがんで怒った顔をする。

 「蛙さん駄目ですよ。美由先輩は綺麗なので、そういう風に触りたい気持ちは分かりますが、恥ずかしがり屋なので、そんな事しちゃ駄目です。」

 『わかるのか・・・。』

 「すまん。すまん。それより、魔法少女その2よ。わしを、きゃつの頭の上まで持ち上げてくれんか?手が届かん。」

 朋は蛙主のわき腹を両手で抱えて、持ち上げる。

 『軽い。二日前は色々あって気にならなかったけど。蛙さんって、見た目よりずっと軽いんだ。』

 朋は美由の頭まで、蛙主をもっていこうとする。身長差があるので、少し万歳気味になるので、美由は上半身を前に倒して、頭を前に差し出しす。蛙主は、美由の頭に手をのせた。

 「むー。お前さん呪われとるなぁ。しかも、かなり強い呪いじゃ。」

 美由は上半身を起こす。朋はぬいぐるみを抱える様に蛙主を抱く。

 「呪い?」

 「そうじゃ。呪いじゃ。」

 「それって、もしかして、正義の味方である魔法少女を倒すために、悪の組織が魔法少女に呪いをかけてたとか。」

 そう朋が言う。

 「うんにゃ。そんなのあるか。この魔法少女が自分達に害があるのかどうかもわからんのに、魔法少女だからという理由だけで、いきなり呪いをかけるなど、ただのアフォがする事だぞい。」

 「確かに。でも、私は呪われるんですよね。」

 「多分、これは、個人がお主を呪っておるんじゃ。お主、誰かにかなり恨みを買っているようじゃの。」

 「最近、トラブルはありましたが、呪いをかけられるような事とはとても・・・。」

 「そう、思っているのは、お前さんだけかもしれんぞ。」

 『また、その台詞か・・・。』

 朋は自分の胸元にぬいぐるみの様に抱かれている蛙主を見る。

 「この呪い解けないんですか?」

 「解けるぞい。力は強いが単純な呪いじゃし。」

 「では、お願いします。」

 「嬢ちゃん、わしを、嬢ちゃんの頭の上に乗せてくれるかな?」

 朋は抱きかかえていた蛙主を頭の上に乗せる。

 蛙主は呪文を唱える。すると、緑の光が美由を包む。

 「どうじゃ?」

 「体が軽くなりました。押さえている力も無くなったみたいです。」

 緑の光が消えると、また、美由の体調が悪くなる。

 「駄目ですね。また、体を押さえられる様な感覚が来ました。」

 「うーん。外からずっと、力を送り込まれているようじゃのう。」

 「何とかならないんですか?」

 「魔法少女に変身して、力を中和すればどうじゃ?対象が分かったんじゃから、そんな難しくは無いじゃろ。」

 「それは、気づきませんでした。」

 美由はテラミルに変身する。

 「確かに、大丈夫みたいです。でも、私、長時間、この格好を維持できませんよ?授業もあるし。」 

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