表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
259/270

 朝になった。

 今日は生憎の雨である。

 美由と桐野はバスに乗り、学校へと向かっていた。

 「桜間さん。そういえば、今、文科省で議論されてて高校卒業を1年早める事が出来る様にするらしいわよ。2年で高校卒業出来る様にするんだって。2014度からの導入を目指しているらしいわよ。」

 「そんな、法案通ったら、書き直さないといけなくなるネタを・・・。」

 「まあ、その時は、その時。」

 「今でも、高校に二年間通えば大学には行ける制度がありますよね?」

 「それは、高校中退扱いになるし、手続きが難しいみたいよ。」

 「履歴書に高校中退と書くより、卒業と書いた方が見栄えがいいですからね。しかし、3年間でも授業内容がキツキツなのに。2年でどうやって3年分を終わらせるんですかね?」

 「そこは色々な手があるでしょ。卒業だけなら最低習熟度で充分だから、大学入試を前提としなければ、余裕で大丈夫でしょ。微積も基礎的なレベルなら、そんなに難しく無いし。」

 「それって、意味があるんですか?」

 「さあ。国際社会に勝てる優秀な人材の育成が目的らしいけど、とても、信じられないわね。中高一貫教育の学校を今は6年だけど、5年で卒業出来るというのを学校のウリにしたいようにも見えるし。」

 「中学と高校で授業内容が、かぶっている部分とか、高校レベルで教えた方が実は効率的なとかありますからね。でも、確実に落ちこぼれが出てきますよね。中高5年生の処に行って、中退したら目も充てられ無い様な・・。」

 「(セイント)エルナール学院みたいな処だったら有りだと思うんだけど、大学一直線とかの中高一貫校で5年生だとねぇえ。かなりキツイ事になるでしょうね。」

 「桐野さんは高校2年で卒業って賛成ですか?」

 「どっちでも、いいわねぇえ。だって、既に高校に入っていて、しかも、3年の私達には何の関係も無いもの。ただ、私は高校3年間は通いたいから、2年生高校や、5年生中高一貫校は選ばないわね。」

 「私もですね。」

 「そう言えば、部活とかどうするのかしらね?」

 「と、言うと?」

 「1年短いわけじゃん。」

 「ええ。」

 「大会で活躍するチャンスを1回潰すわけじゃん。しかも、一番力をつけた3年の分を」

 「そうですねぇえ。まあ、そういう部活で活躍したい方は行かないのでは?」

 「それも、そうか。」

 「私はどちらかというと、1年とはいえ、成長の経験が無いまま、社会なり大学なりに行ける事を危惧しますね。」

 「成長の経験?」

 「うーんとですね。青春を謳歌するといいますか・・・。」

 「まさか、桜間さんの口から、そんなクサい台詞が聞けるとは、思ってもみなかったわ。」

 「・・・・。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ