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変な踊り8
美由はボールを持って手首を曲げる練習を何度も何度もやらされる。
たまに腕を使って投げろ言われ、投げてみるが、腕は動いているものの、手首は曲がっていない。
それを確認すると、また、手首を曲げる運動をさせられる。
何度も何度もやるが、腕が絡むと、手首が曲がっていない。
「何で、出来ないかなぁあ。まあ、私も、こんな感じだったけど。」
「あのー。」
傷だらけの黒猫が、美由の近くに寄ってくる。
「どうしました?」
美由が猫にそういった。
「用事がありまして、そろそろ、いかないと・・・。」
「すいません。つまらない事に時間をとらせてしまって。」
幽霊は美由の体から黒猫の体に移る。
「じゃあね。美由ちゃん頑張ってね。」
そういって、黒猫は去っていた。
「私にどうしろと?手首が曲がらないのに・・・。ひとまず、腕を使って手首が曲げられる様にはなっとかないと。」
美由の修行は夜遅くまで続いた。