表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
228/270

ボスのところへ

 「ジロー。私、消えなくていいの?」

 「消えたいんですか?」

 「うーん。」

 セーラー服の少女は唇に人差し指を置き、上を見て考える。

 「どっちでも良いけど、せっかくジローに会えたし、美由ちゃんや舞ちゃんと友達になれたから、もう少し存在していたいかな。」

 「そうですか。」

 「でも、ジロー?いまいち、私が消えなくても良いっていう意味が分からないんだけど。」

 「あなたが消えないといけない理由は、『あなたが消え無いと私が前の地位に戻れない』というものです。内乱が起こったので、この内乱の結末を迎えようとも、私は前の地位には戻れません。」

 「なんで?」

 「トップがすげ変わるからですよ。上が変わるので、組織運営の形も変わるわけで。多分、私に依存しない体制にならざるを得ないので、私の前の地位は新体制には邪魔になるんですよ。」

 「あのボス猫がいなくなるの?」

 「ボスはかわら無いと思いますけど。NO2から下がごっそり変わるでしょうね。」

 「ボス猫が変わらないのなら、やっぱり私が消え無いと駄目じゃない?」

 「そんな心配はいらないと思うんですけどねぇえ。新たな支配体制では、ボスは傀儡になるんで、そういったワガママのために権限を振るえなくなるので。」

 「うーん。ジローの話は確定要素に欠けるなぁあ。よし、今からボス猫の処に行こう!」

 「何故です?」

 「お願いするの。ジローと、もう一緒に居ても良い様に。」

 「私は、あなたがボスに、お願いをしに行く事には反対しませんが。今、出て行ったら危険ですよ?」

 「ジローがいるから大丈夫だよ。」

 「私にもボスの処に行けと。」

 「うん。だって、この依り代だと動けないし。何よりボス猫の家知らないし。」

 「わかりましたよ。途中で猫に襲われて、共倒れになっても恨まないでくださいね。」

 「ジローとだったら別にいいよ。」

 「あ、あのー。」

 テラミルは猫と本田の会話に口を挟む。

 「何でしょうか?魔法少女さま。」

 「私はどうすれば?」

 「何もしないで下さい。」

 「わかりました。」

 本田は傷だらけの猫に取り憑く。そして、窓枠に飛び乗り、美由の方に顔を向ける。

 「それでは行ってきます。」

 「いってらっしゃい。」




 傷だらけの猫は美由の家から出て、町中を走りだす。彼を待ち伏せていた猫たちが襲いかかってくる。

 黒猫は特攻で強引に囲みを抜けるが、すぐに回り込まれる。

 「ジローは強引だな。私にやらせて。」

 「あんまり無茶はしないで下さいね。」

 「それはやってみないと分からない。」

 黒猫は回り込んできた猫めがけて特攻をかけたと思うと、高くジャンプをして空中で回転をしながら、ブロック塀の上へと乗り、体が横に傾いている状態のまま、ブロック塀の上を強引に走りだす。

 「さあて、どこまでついてこれるかな?」

 ブロック塀の終点に辿り着くと、ジャンプして別のブロック塀に一瞬足をかけ、家の屋根に飛び移り、そのまま電線に飛び移る。

 「ねえ、ジロー?電線使って移動できる猫ってどれくらいいる?」

 「何匹かいますけど、あのメンツには出来るのはいません。」

 「それは良かった。このまま、ボスの処にまっしぐらだ。」

 「そう上手く行くといいんですけどね。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ