朋の修行
蛙主と朋は夢の中にいた。
「蛙さん見て下さい。魔法少女になっても何とも無いのです。」
白い水着っぽいものを来た小さな少女は、誇らし気に言った。
「何を言っているんじゃ。魔法少女その2よ。ここはお主の夢なんじゃから姿・格好は自由じゃ。お主の頭の中でそういう風にお主が表示されているに過ぎん。極端に言えば、お主は夢の中で魔法少女のコスプレをしているだけじゃ。」
「あうー。コスプレなんて身も蓋も無い言い方はやめて欲しいのです。」
「事実じゃから仕方あるまい。」
「厳しいのです。」
「厳しくは無いぞ。そういう事実を一つ一つ積み上げていかんと、この世界で修行をする意味がない。」
「わかったのです。頑張るのです。ところで、どうやって修行するんですか?」
「ワシと魔法少女その1で色々と魔法少女について調べたところ、変身すると気持ち程度に肉体が強化される事がわかっておる。」
「それは、最初の頃聞いたのです。」
「この肉体強化には更に上があるんじゃよ。」
「そうなんですか?」
「何段階か上まで肉体を強化出来る。ただ肉体に依存しているので、元の肉体が弱いまま使うと骨折や筋肉断裂、毛細血管の破裂などを起こす危険性がある。」
「あう。」
「更に、この上の段階の肉体強化は扱いが非情にシビアらしい。」
「らしい・・。何か頼り無いのです。」
「魔法少女その1の話じゃからなぁあ。お主もそうなのかはわからん。」
「と、言う事は私はもっと簡単に?」
「逆に全く出来んかもしれんぞ。」
「あう。」
「ヤツの話によると、この世界である程度、体を動かせる様にならないと出来ないそうじゃ。」
「はい。」
「というワケで、今からマラソンじゃ。ワシを頭に乗せて走れ。」
「えー。何で夢の中までマラソンを。」
「ワガママを言うな。修行をしたいと言ったのはお主じゃぞ。」
「頑張るのです。」
朋は意味があるのかどうかは分からないが、蛙主を頭に乗せて走りはじめたが、数歩歩くと、地面が不安定ですぐにコケてしまう。
「ええい。しっかり地面をイメージせんか。ワシが上に乗っておるんじゃぞ。」