黒猫と隣の地区のボス
黒猫は想定外の事態に陥っていた。
ここのボス猫と本気で戦わなくてならないらしい。
自分の処のグループの猫が大けがをしない様に、状況が悪化したら介入するつもりでいたのだが、派遣されてきた兵隊の面々が弱過ぎるのを見て、どうも、兵隊を派遣した上の猫は、どうも、それを狙っていると判断したため、速攻で介入せざるを得なかった。
黒猫は自分は多少は傷つくだろうが、しんがりをつとめさえすれば、何とかなるだろうぐらいにしか考えていなかった。
そんな折り、ここのボスの登場である。
そのボスが、自分と本気で戦うと言っている。
戦うのは問題無いのだが、どういう形で勝負を終わらせるべきなのか、黒猫は全く分からなかった。
ひとまず、考える暇が今は無い。
それに、実力的には向こうの方が上なのは今までの経験上分かっていた。計算しながら戦える相手ではない。
ボス猫は、微妙に巨大化し、黒猫に飛びかかり、前足で一撃をいれる。黒猫はガードしたがそのまま飛ばされる。
『ふう。この程度の大きさで、暴走ぐらいの破壊力が、これは、腹をくくらないと。』
黒猫は余計な思考を捨て、本能と機械的な処理で戦う事にする。
ボス猫が飛びかかってくる。それをバックステップでかわし、そのまま、ボス猫に飛びかかるが、ボス猫はジャンプをしてかわしつつ、黒猫の背中にとりつこうとするが、黒猫は横に転がり逃れた。
黒猫が起き上がろうした瞬間にボス猫は黒猫の足を払おうと地面ギリギリに足をふるうが、軽いジャンプで交わす。黒猫がジャンプをしたのをみはからい、もう一方の前足を振るうが、黒猫は空中でガードする。
二匹はお互いバックステップをして距離をとったあと、同時にとびかかる。