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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
3話 派閥と人気と恨みと
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朋と加奈 美由の話

 朋は、自分の靴箱の前にやってきた。

 大きく息を吸い。深く息を吐き出す。

 その時、後ろから背中を叩かれる。

 「おはよう、朋ちゃん。」

 朋は後ろを振り返り、相手を見る。そこに居たのは加奈だった。加奈は少し意地悪な笑顔を浮かべている。

 「あ、加奈ちゃん。おはよう。」

 「見たわよ、聞いたわよ。須王寺(すのうじ)おねぇえ様と桜間先輩と一緒に登校。」

 「あはは、恥ずかしい(ところ)、見られちゃったね。」

 「何、言っているの、今をときめく、学園のアイドル二人と、一緒に登校なんて、(うらや)ましい。」

 朋は自分の靴箱を開け、上履(うわば)きを取り出す。

 「あうー。でも、ああいう話は苦手で、私、逃げちゃた。」

 朋は革靴(かわぐつ)()ぎ、上履(うわば)きを()き、靴をトントンする。

 「朋ちゃんは、それでいいのよ。可愛いから。」

 「あうー。」

 朋は、革靴(かわぐつ)を拾い、下駄箱に入れ、フタを閉めた。

 二人は1年の教室に向かい歩きはじめる。

 「ああ、でも、失敗したなぁあ。まさか、あの噂で恨みを買っていたなんて。」

 「もしかして、広めたの加奈ちゃん?」

 「ふっふっふ。秘密。」

 「駄目だよ。美由先輩は、すっごく、恥ずかしがり屋さんだから、クールに受け流している様に見えても、内心では『おねぇえ様』と呼ばれるのを凄く嫌がっているんだから。」

 「それ、さっき、朋ちゃん達が三人で歩いている時に聞いたわよ。まさか、恥ずかしがり屋さんとはねぇえ。クールなのも、照れ隠しってわけだ。」

 「がっかりした?」

 「まさか。全然(ぜんぜん)。恥じらいは萌えよ。」

 「萌えって・・・。」

 朋は『加奈ちゃんには、美由先輩がどう見えているんだろう?』と、不思議に思った。

 「今の3大派閥のおねぇえ様方は、気品に(あふ)れるけど、目立つ事に終始して、恥じらいというのが欠けていたいたのよ。ここに来て、恥じらいの有る、おねぇえ様の登場よ。かなり、萌える展開でしょ。」

 朋には良くわからなかった。恥ずかしがり屋さんというので、がっかりはしなかったし、むしろ、自分と近い(ところ)があって、安心感を覚えたが、『萌え』という感情は浮かんでこなかった。

 「加奈ちゃん。美由先輩は『おねぇえ様』って呼ばれる事も、注目を浴びるのも、凄く嫌がってるよ。私だって、さっき、美由先輩に、『絶対、おねぇえ様と呼ばないで』って、釘を刺されたし。私だって、呼びたかったのに。」

 朋は少し顔を膨れさせた。

 「そっか、そっか。でも、もったい無いなぁあ。あれだけ才能があって、学園のアイドルにならないなんて。」

 「才能?」

 「私も、知らなかったから、詳しく調べてみたんだけど、そしたら、学園の3年女子で、色々と総合すればNO3ナンバースリー)の実力があるのよ。」

 「3年、女子の中で3番目?」

 「そうそう、3年女子の中で3番目。この学校って、女子が7割で男子が3割だけど、男子が頑張るから、上位って男子じゃん。だから、目立たないけど、男子を除いて考えれば総合点では、桜間先輩って3位なのよ。」

 「へぇえ、しらなかった。」

 「でしょ。私も、この事実を知った時、驚愕したわよ。まあ、私も昨年度の成績表を職員室で隠れて(のぞ)いたから、知ってるんだけど。」

 「加奈ちゃん危ない事するね。先生に見つかったら大変だ。」

 「それくらい、しないとねぇえ。」

 加奈の教室の前についた。

 「じゃあ、またね。朋ちゃん。」

 「うん、また。加奈ちゃん。」

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