208/270
傷だらけの黒猫
三本の巨大な水道管が置かれた空き地があった。
多くのの猫が放置された水道管の周りに集まり、その中心に、ふとっちょの三毛猫と傷だらけの黒猫がいた。
「クロよ。おみゃあさんの全ての役職を解き、一番下に降格するだあよ。」
三毛猫はそう言う。
「了解しました。」
黒猫はそう言った。
「話は以上だで、わしはこのまま帰るだあで。」
そういって、三毛猫は水道菅を降り空き地の外へと向かっていく。
黒猫も空き地を去ろうと歩き始めると、近くにいた猫に殴られる。
「お前一番格下になったくせに、俺たちに挨拶も無しか?」
「申し訳ございません。これからよろしくお願いいたします。」
今度は他の猫からお腹に攻撃を食らう。
「なんでしょうか?」
殴った猫を見て、傷だらけの猫は下手のそう言った。
「前からお前が気に入らなかったのよ。これ以上生意気な口が聞けない様に体に言い聞かせてやるよ。」