表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
203/270

明日の約束。

 朋と蛙主は、夢の世界からまた、自分の家に戻ってくる。

 「もう少し居たかったのです。」

 小さな女の子は、子供がふてくされている様にそう言った。

 「仕方有るまい。ワシがあまりやる気が無いのじゃから。」

 頭の上に居る蛙は、そこで、あぐらをかきながらそう言った。

 「せっかく、あんなに出来たのに。」

 朋は蛙主の脇腹をつかみ、自分の顔の位置まで持ってくる。

 「私、何をするにも要領が悪くて、全然成長が無いのに、あんな分かりやすく成長出来たのです。もっと感動を味わいたかったのに。」

 「ワガママを言うな。」

 蛙は困った顔をしながらそう言った。

 「第一、1時間ほど寝るだけで、あんなに伸びるのはおかしいぞい。きっと頭にかなりの負担がかかっているハズじゃ。」

 「でも、全然、疲れてませんよ?」

 「今は、ハイになっているから気付かないだけで、少し時間が過ぎれば、ものすごい疲労が襲ってくるとおもいぞい。」

 「むー。」

 「それに、ああいう伸び方は危険じゃ。」

 「どうしてですか?」

 「ワシにも経験があるんじゃが、ああいう伸び方には必ず落とし穴がある。」

 「どんな?」

 「次やった時、まるで出来んようになり、そのままずっと、スランプに陥るとか。体が無理をしている事に気づかず、体をこわして、何日も何も出来なくなったり。」

 「あうー。」

 「多分、もの凄い、偶然が重なってたまたま出来ただけじゃ。こういった成功体験を経験すると、次、出来て当たり前と思いこむものじゃが、出来なかった時の反動はでかいから、運が良かっただけと割切る事じゃな。」

 「じゃあ、運かどうか試すために、もう一回お願いなのです。」

 「お主は人の話を聞いておらんのか?今はハイになっているから気付かないだけで、体の負担は相当なもんじゃ。だから、今日は駄目じゃ。」

 「じゃあ、明日お願いするのです。」

 「何故、ワシがわざわざ。」

 「お願いするのです。」

 そう言って、朋は蛙主を揺さぶる。

 「ああ、わかったわい。揺さぶるな。」

 「ありがとうなのです。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ