歓談
朋は夢から覚めた。
先ほどまでの雷雨が嘘の様に、公園には日が差していた。
「あうー。何か眠いのです。」
蛙を頭に乗せた女の子は、目をこすりながらそう言った。
「普段使わない頭を随分使ったようじゃらのう。」
「嫌味を言われてるのです。」
「言われたくなかったら鍛える事じゃ。」
「心が折れそうなのです。」
朋はそう言って、女子トイレの入り口で座り込み、コンクリートの壁に顔をつけて寝ようとする。
蛙主は朋の頭をベシベジたたく
「あうー。蛙さん痛いのです。」
「こんな所で寝てはいかん。ウチがすぐちかくなんじゃから、ウチに帰って寝るべきじゃろ。」
「わかったのです。」
朋はウチに向かい歩き始めた。
蛙主は帰っても良かったのだが、朋がいきなり、寝ようとしたので、心配になりウチまで付き合う事にした。
朋は自分の家に帰り、蛙主を抱きながら、寝てしまう。
蛙主も昼寝に付き合う事にした。
3年の特別授業が終わり、桐野と美由はピアノの特訓を教室ではじめようとしていた。
「ねえ、知ってる?」
「何でしょう桐野さん?」
「作者が、全国統一模試が6月の半ばだと思って、作品上の時間軸的に明日やろうと思ってたらしいんだけど、調べてみたら5月だったんだって。実は、第一話のちびっ子がハンカチを洗っている次のシーンに模試の話を入れないといけないんだけど、話に不都合があるから、作品には描かれてないけど、あった事にするらしいわよ。」
「持久走大会の二日後ですね。と、言う事は中間テスト前後あたりで、私達の偏差値発表があったという事になるんですね。」
「そうなるわね。後で書き直すのかしらね?」
「多分、ここだけの説明ですますのでは?中間テストの話をいじるのが面倒そうですし。それより、ピアノの練習を。」
神園の家の二階にはミミとクマゾウというクマのぬいぐるみ二体がいる。
その二体は20代の女性二人に、それぞれ抱かれた。
女性二人は月見の部隊の人間であった。紆余曲折があり、女性二人は神園の空間であるはずの二階に住む事になっていた。
クマゾウを抱いている女性は爆乳で、子供っぽい顔をした女性であった、女性の胸に包まれて幸せそうにしているクマゾウを見て、ミミは殺意がわいていた。
人間二人はぬいぐるみ二体の思惑に気づかず、出会いが無い事について熱いトークをしていた。
会話に熱が入り、二人はぬいぐるみ二体を横に置くと、キレたミミがクマゾウに跳び蹴りをかます。
「死ねこの変態。」
クマゾウは、壁に叩きつけられ、畳の上に倒れ込んだ。
そして、むくりと起き上がり、ミミに掴みかかる。
「このアマ何するんじゃ。」
「あんたが浮気心を出すからよ。」
ぬいぐるみの取っ組み合いのケンカが始まった。