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9話終わり

 月見は黄緑のクマのぬいぐるみをグリグリ踏み回す。

 「あ、お嬢様。やめて、くださいまし。グリグリしないで。」

 クマゾウは何とも言えない声でそう言った。

 「私のパンツを見るなんて、命知らずな男ね。ただですむと思って無いわよね。」

 「ああ、クマゾウさん。大丈夫!?」

 ピンクのクマのミミが踏まれているクマゾウのもとに駆け寄る。

 月見はクマゾウを踏んでいる足を振り上げ、力一杯に振り下ろす。

 「ああー。」

 「月ちゃんよ。別にパンツなんてどうでも良いだろう?男の前で平然と着替えられるくせに。」

 神園はキャンピングカーで月見が隊員の前で平然と下着姿になった事を思いだす。

 「クラスの男子がいる前で着替えても何とも無いけど、こ・い・つに見られるのはイヤなのよ。」

 『こ・い・つ』の一音一音に会わせて、月見はクマゾウを踏みつけた。

 「そのこだわりは良く分からないが、ひとまず、乱暴に扱わないでくれるか?一応、神様だし。」

 月見は足をどける。クマゾウは一瞬助かったと思ったが、月見が大きく足を後ろに振り上げ自分をシュートしようとする光景が目にうつった。

 クマゾウは壁にたたきつけられ、畳に転がる。

 「クマゾウさん。」

 ミミは畳に横たわるクマゾウのもとへと行き、抱きかかえる。

 「生きてる?どこか痛い処ない?」

 「ミミ。愛しているぜ。」

 「ああ、クマゾウさん。」

 二人は強く抱きしめあった。



 美由は少し憧れのまなざしで、ぬいぐるみの愛のやりとりを見ていた。

 「わあ。いいですねぇえ。愛する二人って。」

 「どこがだよ。」

 神園は月見を見る。

 「それより、つきちゃんよ。退魔は肉体労働系だから、真っ白な下着はやめといた方がいいぞ。」

 「あら?何でかしら?」

 「汗染みや、皮脂汚れで、すぐ駄目になるから。血とか汚ないモノを浴びたりするし。」

 「私、一応巫女ですの。現代社会なので下着はつけないと駄目ですけど、神に仕えているものですから、ウチでは白でないといけない事になってますの。」

 「さっき、神を踏みつけてたけどな。白の下着なんて普通のスーパーとかでは、そんなに売ってないだろ?」

 「私がスーパーで下着を買うと思いまして?」

 「すまん。愚問だった。」

 「そういう、あなたはどんな下着をはいているのかしら?」

 「私か?クロだけど。」

 「まあ、スケスケTバックパンツ?」

 「どうして、そうなるんだよ。あんな動くのに支障があるパンツなんかはくか。私の場合、ヘビーローテションで回す必要があるから、汗染みとか、皮脂汚れとかが目立たない色じゃないと困るんだよ。」

 「そこのねぇえさんの友達はどうなの?」

 「え?ええ?私?ですか?」

 美由は突然ふられて困ってしまった。

 「この女は、シマシマパンツが多いぞ。」

 「何で知ってるんですか?」

 「そりゃあ、あんたの部屋には何回も入ってるし。ちなみにブラはスポーツブラばかりだ。ああ、何個かあまり使って無い白の扇情的なブラが。普段はおっさんくさいのに、あれを見た時は、たまに女になる時もあるんだなと。」

 「人の触れられたくない部分を公然と暴露しないでください。何で人のタンスを覗くんですか?」

 「だって、一応あんた調べてたし。」

 「そんな処まで、調べなくてもいいじゃないですか。」

 「女が秘密を隠す処って、そういう処が多いし。」

 「へぇえ。処で、姉さんの友達の桜間さんでしたっけ?」

 月見が美由に話かける。

 「はい。」

 「私、月曜日から一週間あなたの通っているそこの学校に交換学生として行く事になったの。」

 「へぇえ、そうなんですか。」

 「そうですかって。何か他に聞く事はないの?」

 「・・・。」

 美由はまぬけな顔で少し思案してみるが、特に無かった。

 「いいえ。特には。」

 「もう、少しは私に興味をもってよ。何で来るのか?とかあるでしょ?」

 「では、何故来られるのでしょう?」

 「ハンバーガーショップでバイトして、あなたたちとしゃべって思ったの。あの学校でのねぇえ様って、どんな感じなんだろうって。そしたら、この近くでうちの部隊が工事をするっていうじゃない?ものは次いでなので、そういった現場の勉強もしようと思って。だったらと。」

 「良く分かりませんが。がんばってください。」

 「と、言うわけで桜間先輩。月曜日からよろしくね。」

 「クラスも学年も違うし、私は派閥の人間ではないので、会う事は無いと思いますが、よろしくお願いします。」

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