表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/270

美由の部屋と神園家

 「あら。おかえりなさい。」

 物置として造られた小さな部屋に、第二次世界大戦以前でもレトロな赤いドレスを着た女が、せんべいをかじり、大きな黒犬の腹を撫でながらそう言った。

 「あのー。あなたは何をしているので?」

 美由は自分の寝床が敷かれる予定の場所で、リスの様にせんべいをかじっている女にそう言った。

 「失礼ね。せっかく、棲む家が決まったんで、報告しに来たのに。」

 「へぇえ。全く興味が無いので帰って下さい。」

 美由は冷たい目線を神園に送った。

 「そんな、つれない事言わないでよ。久しぶりに屋根がある所に住めるのに。この喜びをあなたもわかちあいなさい。」

 「へぇえ。では、勉強があるので。即刻お帰りを」

 「そんな冷たい。こういった話を聞くのも大人のたしなみよ。」

 『う、痛い』

 「で、何処に家を。」

 「あなたの学校の近く。しかも、一軒家。」

 「へぇえ。それは凄いですね。」

 「何と、敷金礼金無し、身元保証も無しで月1万よ。」

 「はいはい・・・。へ?敷金礼金無しの身元保証も無しで一万?幾らなんでも怪しすぎませんか?」

 「怪しいでしょうね。」

 「お化けとか出るのでは?」

 「不動産屋は出るとか言ってたたわね。てか、一年ぐらい前に首つりで新聞に載った有名スポットらしいけど。幾人もの強者が挑戦したけど、みんな数日せずに出ていったそうよ。」

 「っへ?そんな場所がウチの学校の近くに・・。」

 「知らないのか。世情収集を怠っているからよ。」

 「そんな場所に棲んで大丈夫なんですか?」

 「大丈夫なわけないじゃん。だから、あんたを呼びに来たのよ。」

 「はぁあい?」

 「前も話さなかったっけ?悪霊の対処法?」

 「悪霊の対処法ですか?服についた悪霊は洗濯機に放り込めば大抵除霊が出来るとしか・・・。」

 「合格、そういうわけよ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ