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職員会議

 職員室にある黒板に球技大会の事が書かれていた。

 7月にある1学期の期末テストの翌週の金曜日。種目はソフトボールとバレーボールの2種で、男女別々で行われる事が書いてあった。

 須王寺は生徒会の副会長として、この球技大会の準備運営を話し合うために職員室にきたのだった。

 「では、球技大会については以上です。」

 担当の体育教師がそういった後、席につく。

 次に教頭が立ち上がり話はじめる。

 「ええ。突然ですが(セイント)エルナール学院の高等部の方から、1週間の短期交換学生の申請がありました。これについて、(セイント)エルナール学院の担当の方から説明をしていただきます。」

 おしゃれで細身の若い教師が立ち上がる。

 「えぇえ。(セイント)エルナール学院の高等部で短期交換学生の担当をしております。近藤と言います。突然で申し訳ありませんが、期間は来週の月曜から金曜の1週間です。人数は一名。そこにおられる須王寺麗菜さんの妹、須王寺月見という2年の生徒です。この期間の1週間ですが、私も担当教諭として、毎日この学校に来る予定です。」





 職員会議が終わる。

 外は暗くなりはじめていた。

 須王寺と近藤は、一緒に職員室を出た。

 「どうだい、麗菜君。一緒に食事でも?」

 「あら、嬉しいお誘いですけど遠慮しておきますわ。生徒と教師がデートなんて、噂にでもなったら謹慎処分になりかねませんし。それに、お忘れになりまして?(セイント)エルナール学院で生徒に何人も手を出して、停職と担任と担当授業を外されたのを。」

 「ハハッハ。手厳しいな。冗談という事にしておいてくれ。」

 「先生が女子高生燃えでメイド萌えで、そういった事が病的なのは理解しておりますが、この学校の生徒に手は出さない方が無難ですわよ。それに、先生が目をつけた3人は私の友達ですの。手を出さないでいただきたいのですが。」

 朋は友達では無いのだが、説明をするのが面倒なので須王寺はあえて端折った。

 「あの三人は(セイント)エルナール学院の生徒では無いけど、君にそういった友達がいるとは驚きだなあ。」

 「先生・・・。今の話だと、こちらに来ている(セイント)エルナール学院の女子生徒を全員覚えている様に聞こえるんですけど?」

 「それは、もちろんじゃないか。(セイント)エルナール学院に在籍している中等部・高等部で僕が知らない女子生徒は一人もいないさ。例え、土曜日しか会えない子たちだったとしても、知らないなんてレディーに対して失礼じゃないか。」

 「そうですか・・・。でも、土曜日に先生と会った記憶は無いんですけど。」

 「そりゃ。土曜日は僕は休みだからね。」

 「ところで、先生は、男子生徒の方も全て覚えてらっしゃるんですか?」

 近藤は鼻くそをほじりはじめる。

 「ああ。さっき君の隣に座っていた生徒会長ぐらいだっけ?うちの生徒。」

 「一応、女子と同じぐらいいますよ。それに先ほどの会議で私と同じ席に座っていた書記の方も(セイント)エルナール学院の生徒ですよ。」

 「男にゃ興味ない。それより、こっちの生徒は良いな。田舎娘っぽくって。流行か何かしらないけど、あっちの学校ではギャル風が蔓延してて、正直、僕の好みじゃないんだよね。」

 「こっちは校則が厳しいですし、ファッションに気をつかっていたら勉強から置いていかれますからね。って、先生、生徒にそんな話をしないでくださいませんか?」

 「いいじゃない。君と僕の仲だ。それに僕は君には絶対に手を出さないと決めてるし。」

 「あら?停職を恐れない先生とは思えない。」

 「僕が君に手を出さない理由は、君のバックが怖いのもあるけど、何より僕のカワイイ妹のライバルだからさ。」

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