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歩く

 美由、桐野の三人は道路の向こう側にある帰りのバス停に行くため手押し式信号の前で足を止めた。

 朋は歩みを止めなかったが、二人が止まった事に気づき、彼女等の方を見た。

 帰りのバス停に向かうため普通に信号を待っていた美由は朋の視線に気づく。

 「あ、そうか、最近、桐野さんと帰る事が多かったから、普通にバス停に止まってたけど、朋ちゃんは歩きだったね。」

 「あら、ちびっこちゃんはバスじゃなかったんだ。」

 「ぶー。ちびっこはやめて欲しいのです。」

 「そっか、そっか。ごめん。ごめん。気づかなかった。確かに私が悪いや。えっと、朋ちゃんだったけ?」

 「そうです。」

 「ところで、ともちゃんのお家はどこなのかしら?」

 「市営住宅団地です。」

 「ごめん、ちょっと良くわからないや。どこらへんにあるの?」

 「こっちの海沿いを走って県庁に向かう国道じゃなくて、もう一本、学校に隣接する大きな道があるじゃないですか。」

 「ああ、山を横断する方の道ね。この前の持久走大会でちょっとだけ通った。」

 「そうです。その道を山とは逆の方向、住宅地の方に歩いて10分ぐらい行った処です。」

 「方向は似てるけど、私達が乗るバスに乗ると、ちょっと遠回りになるわね。」

 「はい。それに定期も無いのです。」

 「あ、桐野さん。私は朋ちゃんと一緒に帰りますんで。私も定期無いし。」

 「そっか。雨じゃなければ、一緒に行くんだけど、流石にパスね。そいじゃあね。」

 信号が青になり、桐野は横断歩道を渡りはじめた。

 「ではー。」


 桐野を見送る二人。

 「美由せんぱいもバスじゃなくていいんですか?雨ですし。」

 「気にしない。気にしない。それに最近色々な事件があって朋ちゃんに伝えなくちゃいけない事がいっぱいあるのに、色々とあって伝える事が出来なかったし。」


 二人は歩きはじめる。


 「美由先輩。傷だらけの黒猫さんに、美由せんぱいが最近、犬さんを連れた女の人と一緒にいるから、魔法少女の事を知られたくなければ、距離をとれと言われたのです。」

 「そっか。」

 「でも、頭で分かっていても、我慢できなくて美由先輩を待ってたのです。」

 「大人になれないというのは、そういう事か。」

 「そうなのです。」

 美由は朋に鬼の事や退魔師の月見やハヤブサの事について話す。

 「こんな短い期間に、そんな大事件がいっぱいあったのですか?」

 「そうだよー。朋ちゃんが下手に私に近づいていたら、もしかしたらバレていたかもね。」

 「あうー。そんな大事だったなんてしらなかったのです。そしたら、今、美由せんぱいと一緒に下校しているのも、やばかったりするのですか?」

 「うーん。どうだろう?退魔師の方は今は大丈夫だとは思うけど。でも、猫さん達の方はどうかなぁあ。」

 「あうー。猫さん達とは仲良くして行きたいのです。」

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