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詐欺について

ピアノの12345について、嘘の記述がありました。

 「ねぇえ。桜間さん。フランスのエッフェル塔売却詐欺事件とか、M資金詐欺事件とか知ってる?」

 桐野はどこか遠くを見る様にそう言った。

 「知りません。」

 美由は自分の記憶には無かったので、素直にそう答えた。

 「そう。フランスのエッフェル塔売却詐欺事件っていうのは、昔、フランス政府がエッフェル塔が老朽化して維持が出来ないので、解体してくれる人を探しているという手紙が色々なお金持ちの処へ届いたのよ。」

 「はい。」

 「その手紙は政府の正式な封筒を偽造したもので、本当に信じた人がいった話し。」

 「ええ。」

 「M資金というのは、第二次世界大戦で日本が戦争に負けたじゃない。」

 「はい」

 「あの時、日本って連合国の占領下に置かれたじゃない?」

 「連合国?アメリカじゃないんですか?」

 「・・・・・。桜間さん。確かに、大学受験で平然と日本はアメリカと戦い、アメリカの統治化に置かれたというのを前提にして日本史の試験問題を出してるアフォな大学がかなり多くあるけど、日本の占領統治していた機関の名前はGHQっていうの。GHQの日本語訳は?」

 「ええと・・・。なんでしったっけ?」

 「まあ、そうよね・・・・。GHQの日本語訳は連合国最高司令官総司令部よ。日本を統治していたのはアメリカではないの。『連合国』なの。」

 「あのぉお。少々混乱しているというか・・・。」

 「桜間さん。その解釈だと日本史・世界史必須の処だったら確実に落ちるわよ。」

 「GHQの話を聞いたあたりから、何かそう思えてきました・・・。」

 「ええと、日独伊三国同盟は分かるわね。」

 「はい。」

 「で、なんで日本・ドイツ・イタリアが枢軸と言うかわかる?」

 「さあ。」

 「ヨーロッパ中心の考え方で、『ドイツのベルリン』と『イタリアのローマ』を一本の線で引いて、この引かれた一本線を軸に世界が回転するという考え方よ。」

 「あの?日本は?」

 「日本は確か、ドイツとイタリアの認証の下に、支配を認められるみたいな立場だったような・・・。」

 「えぇええ。」

 「まあ、日独伊三国同盟で、枢軸の解釈で日本がかなり残念な立場だったのはどうでも良いのよ。」

 「そんなぁあ。」

 「枢軸国のメインの二国は別にして、残念な立場の日本がね、その2国とは全く別思想を大義名分にして戦争はじめるのよ。」

 「すいません。何か宗教がかってて、と、言うより、特定政治思想みたいで聞きたく無いんですが・・・。」

 「別に良いわよ。聞きたく無いなら。ここらへんが理解出来てないと、第二次世界大戦以後の理解は確実に壊滅するけど。」

 「うーん。そう言われると・・。」

 「まあ、日本が枢軸国を無視して、アメリカへ戦線布告した理由は八紘一宇。日本の統治下のもと、民族は平等だという考え方。」

 「えーと。」

 「まあ、異論は置いて、日本が言ってる大義名分である八紘一宇に対して、連合国が出した大義名分が民族自決ね。要するに民族独立ね。ここらへんが分かって無いと、韓国建国とか、ソビエトが何故、朝鮮民主主義共和国を建国せざるを得なくなったかとか、イスラエル建国とか、香港返還とかの流れはさっぱりわからなくなるわよ。」

 「何かモヤモヤしてますが・・。後で調べてみます。」

 「その知識で、日本史と世界史の教科書読み直せば、第二次世界大戦以後のうやむやな出来事がだいたい見えてくるわよ。まあ、話が大幅にそれたたけど、M資金というのはGHQが日本の財閥解体時に接収した莫大な資金を一カ所に集め、それを日本の統治に充ててきたとか言われている資金ね。まあ、純粋に日本のインフレや通貨流通量を考えると、それが本当に存在していたとしても、大した額であるはずがないんだけど、このM資金担当者を名乗る人が金持ちの前に突然現れて、あなたは選ばれた人なのでM資金を管理できる人間に推薦したい。その保証金として数億円の現金を用意して欲しい。って詐欺事件。平成に入って何十年もたつのに、未だにこのM資金詐欺に引っかかるアフォ金持ちがいっぱいるそうよ。」

 「そうなんですか?」

 「ええ。M資金にしろ、エッフェル塔詐欺にしろ、詐欺師が後ろ盾に使っている組織がデカイ事と、それを納得させるだけの格を証明・・・は、してはいなけど、納得させる嘘の証拠があったこと。これらがそろえば、人はあっさり騙されるという事。」

 「なんか、規模がでかすぎてイメージできないというか・・。」

 「振り込め詐欺で詐欺師が良く使うのが、警察や弁護士なんだけど、格を利用してるでしょ?一般人を騙すのであれば、それぐらいの肩書きですと主張すれば、普通の人ならあっさり騙されるというわけ。」

 「うーん。そこまで知っているなら桐野さんとか騙されなさそうですね。」

 「私?私は多分、騙されるわよ。むしろ、騙される自信すらあるというか。」

 「何か、段々、桐野さんが信用できなくなってきました。」

 「あら?そんなの当たり前じゃ無い。世間の常識よ。人を見たら、強盗、詐欺師、殺し屋と思えって、両親に教わらなかった?」

 「どうでしたか・・・。」

 「だから、桜間さんは甘いと言っているのよ。」

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