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8話始まり

 (とも)は自分の教室に向かって歩いていた。

 全校集会は終わったらしく、みんな教室に戻っている最中だった。

 もうすぐ教室に着こうかという処で、(とも)は後ろから声をかけられた。

 「おーい、ちびっこ。全校集会サボって何やってるんだ?」

 (とも)は声がした方へ振り向くと、身長が低い順に鈴木 あずさ・佐藤 絵里・田中 佐和の三人がいた。ちなみに彼女を「ちびっ子」と呼んだのは佐藤絵里である。

 (とも)は三人の元に駆け寄る。

 「うわ、何だその格好?そのデッカイジャージに濡れたスカート。」

 「やっぱり変かな?雨の学校を散歩してたら転んじゃって、びしょ濡れの泥だけになったの。そしたら美由先輩がジャージ貸してくれたんだけど。」

 「おお、そのジャージは憧れの桜間先輩のか。でも流石に変だな。カワイイけど。他の人が見たら白い目で見られるぞ。」

 「あうー。それは嫌なのです。あずさちゃんジャージもってきてない?私、持ってきて無くって。」

 鈴木あずさは(とも)よりは大きいが、クラスの中では小さい方だった。(とも)があずさに着替えをお願いしたのは体格的にあずさのしか合わないからで、他の二人とは身長差がありすぎて駄目だからだった。

 「あるよ。部活のが。」

 「じゃあお願い。」

 子供がお母さんに話す様な甘い口調で朋はお願いする。

 「いいよ。」

 4人は教室に入る。

 あずさは自分の棚に置いてある鞄を引っ張りしてジャージを(とも)に渡した。

 「あ、下はブルマーしかないや。」

 「ええぇえ。何でブルマー。うちの学校の体育服は短パンなのに。」

 「部活のユニフォームがブルマーなのよ。」

 「あうー。」

 「その濡れてるスカートよりはマシじゃない?」


 (とも)は今日一日ブルマー姿で過ごす事になった。

 一時間目のロングホームルームで先生にまず、ブルマー姿と全校集会をさぼった事について追求され、ブルーな気持ちになった。




 月見と赤服の女である神園は自分の飼い犬のメリーと共に、改造したキャンピングカーの中にいた。

 他の男達もいるのに、月見は躊躇無く濡れた巫女服を脱ぐ。

 『この女は露出狂か?男がいるのに、こんなに堂々と。』

 男からタオルを受け取ると月見は体を拭きはじめる。

 『この女のムネはまな板だな。まあ、この幼児体型じゃ男は欲情しないか。姉の方は結構あった気がしたが。』

 「あなたも大夫濡れてるじゃない。それ脱いだら?」

 「いや、遠慮しとくよ。」

 『この女、知らない人間に囲まれている状況で私にも脱げと。』

 「それより、タオルを貸してくれないか?持ってきてなくてな。」

 月見は同車している男にアイコンタクトを送ると、男はタオルを赤服の女に渡す。

 「ありがとう。」

 そう言ってタオルを受け取ると、パッパと服表面をぬぐい、大きな黒犬の体をタオルで包み拭いていく。

 月見はいじわるそうな目でそれを見ていた。

 「さて、昨日もお会いしましたよね。退魔師さん。」

 『なんで、この女はこんないじわるな言い方してるんだ?』

 「昨日会ったのはさっきも確認したろ、それに、あんたらも退魔師だろ。」

 「だって、わたくし、あなたのお名前知りませんし。他に呼び様が無いんですもの。よろしければ名前、教えていただきます?」

 「神園だ。」

 「そちらの大きな黒犬の名前は何て言うのかしら?」

 「メリーだ。一応、退魔犬だ。」

 「そうですか。中々カワイイ犬ですね。それより神園さん、昨日の夜に山で会った時、もう一人いましたよね?あの方はどちらに?」

 「学校に決まってるだろ。あんたの姉の学校の友達なんだし。」

 「あら、あの方、姉の友達なんですか?てっきり姉のファンかと思ってましけど。」

 『??。何故、そうなる?』

 「姉があの学校で友達を作るなんて。よっぽど気にいっていってらっしゃるのかしらね?。それとも、彼女がそう思いこんでいるだけなのかしら?。」

 『生まれながらの勝ち組女というのはどうも感覚が違うな。』

 「あんたの姉の考えなんて知るかよ。私の見た感じでは友達に見えたという話だ。」

 「でしょうね。」

 『でしょうね?って何?』

 「ところで、あなた、昨日一緒にいたあの子に何かあると思って付け狙ってたんでしょ?。何かありました?。」

 「いいや、お目目が良いだけだな。本人は隠したがっている様だが、あれだけ見えると結構苦労するだろうな。」

 「どれくらい見えますの?」

 「さあな。悪霊がそこそこ認識出来る程度だと思うが。」

 「へぇえ。天然にしては凄いですね。興味が出てきましたわ。」

 「そうか?本当につまらない女だぞ?こっちも何かあると思って一週間程つけていたが、学校と家で勉強して、夜になったら走って、その後また勉強して、そして寝て、走って、また学校への繰り返し。」

 「本当につまらなそうですね。でも、それでもつけ回してたんでしょ?。」

 「いや、本当につまらないんで、今日で止めようと思ってたんだが、そしたらあの鬼が現れたわけさ。」

 「処で、その子は力の発動には気づかなかったの?」

 「さぁあな。私は力の発動を感じて、すぐに現場に向かったらな。そしたら鬼が倒れてて、何なら本人に直接聞いたらどうだ?あいつも鬼の事も知ってるわけだし。」

 「まあ、いいでしょ。それより姉とその子とはどういった感じなのかしら?。」

 「どういった感じと言われてもなぁあ。あんたの姉のオモチャって感じかな。いじられて右往左往してた記憶しかないなぁあ。」

 「何か良くわかりませんわね。」

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