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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
7話 鬼
132/270

早朝

 早朝になった。

 天気予報によると、この地域は梅雨入りしたと見られるらしい。

 よって、梅雨の始め独特の小粒の雨がシトシトと降り続いている。

 須王寺 月美が寝ているキャンピングカーの周りは霧がかかっており、真っ白であった。

 車がある位置は標高が200mぐらいなのでそんなに高くはないのだが、梅雨の時期はたまに雲に包まれる事がある。

 視界は20m程しかない。

 これで鬼を探すのは厳しいと、部隊の皆が思った。

 鬼狩りの準備と、食事をとっていると別働隊から連絡があった。

 どうも鬼が、山の裾野へ降りたらしい。携帯のGPSで細かい位置を知るとメンバー全員に衝撃が走った。

 そこは、私立武汎辺津(むはんべつ)高等学園の周辺であった。

 学校周辺は郊外なので、そこまで人が多く無いが少し離れれば住宅街がある。

 それに、この学園には須王寺家の表の次期の当主になる人物、麗菜がいる。

 鬼は学園の周辺で消えおり、移動した気配は無いという。どこかで休んでいるかもしれない。

 キャンピングカーは急いで、私立武汎辺津(むはんべつ)高等学園へ向けて走りだした。

 月美は右手の親指の爪をかじる。

 「全く、何て処に逃げてくれたの。姉さんが通う学校の近くなんて。しかも、今日は月曜日。学校がある日じゃない。」

 「偶然、なんでしょうかね?」

 副隊長が月美にそういう。

 「分からないわね。彼が鬼化したのは本家の近く。姉さんはあの時、確かに本家に居た。私達が本家に入る前にあの鬼に出会う事が出来、深手を負わして、あの鬼は逃げた。そして、今度は姉さんが通う学校を目指している。本家での暗殺が無理だと判断したから、警備が手薄な、あの学校で姉さんを狙う事にした?」

 「可能性が無いとは言えないでしょ。」

 「ああ、もう。この車、もっとスピードでないの?」

 「無茶を言わないで下さい。この霧と雨と山道ですよ。下手にスピードを出せば事故に繋がるでしょ。」

 「もう。そうだ。本家に連絡をして、姉さんを学校に行かせない様に引き止めて。時間から見ればまだ家にいるはずだから早く。」

 「わかりました。」

 副隊長が携帯で連絡を取る。

 月美はまた、親指の爪を噛みはじめた。

 『何で、こんな事になってるわけ?私のデビュー戦なのに。』

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