表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女ガラミン  作者: からっかす
7話 鬼
127/270

鬼の説明2

 「では、一般的に退魔師が鬼を退治する時はどうしてるんですか?」

 美由はもしかしたら、自分が鬼と戦うかもしれないと思い、参考にするため聞いてみる事にした。

 「あら?あんた、鬼退治に興味があるの?」

 彼女の言葉に一瞬『っは』とするが、平然を取り繕う。

 「ええ、そりゃあ、少しは・・。」

 「ふーん。まあ、私は見た事も、やった事もないけど、一応、教えてあげる。鬼退治といっても殺せば、殺人になるのは分かるわね?」

 「ええ。」

 「何で殺人になるかわかる?」

 「え?言っている事が良くわかりませんが。」

 「つまんないわねぇえ。死んだ時に肉体が残るからよ。しかも、その肉体が人間の姿にわざわざ戻るの。要するに人間の死体という証拠が残るから、問題があるわけ。」

 「なるほど。」

 「という事は、殺せない。イヤ、合法的に殺す方法もあるんだけど、ちょっと面倒なのよね。」

 「どんな?」

 「緊急避難的措置か正当防衛。または、超法規的措置。この3つのどれかね。緊急避難的措置と正当防衛は相手を殺す意外に助かる道が無い場合。」

 「はい。」

 「正当防衛は不良に絡まれて暴行を受けたら、反撃しないと身が危険にさらされる場合とかあるじゃん。そういう時に反撃しても罪にはならないってヤツね。緊急避難的措置はたとえば海で遭難して食料が尽きた時、人間を食べなければ全滅してしまうとか。山で崖に登っていて事故に合い、相手を見捨てないと、共倒れになるとかいう極限状態での生死の選択を迫られた場合ね。」

 「はい。で、超法規的措置ってなんですか?」

 「法律で定められて無い、または、法律で禁止されているんだけど、どうしても、法律を逸脱しないと、どうしようもないって事があるでしょ?例えば9.11とかのテロリストが一般旅客機をハイジャックして、何千人とか働いている超高層ビルに突っ込もうとかしている。そのそういう時に、罪にならない様に法律では禁止されているけど、現在の法律ではどうしようもないので、しかたなく法を犯しても罪にならないという措置の事よ。」

 「へぇえ。そんなのがあるんですか。」

 「まあ、鬼退治で超法規が発令される事なんて滅多に無いから、除外して考えて良いわよ。」

 「滅多にという事は、無い事は無いんですか?」

 「そりゃねぇえ。でも、よっぽどやばい事が分かってて、関係するところに根回ししまくって、やっと発令だから。ちょっとやそっとのコネやカネがあるだけじゃ駄目ね。私みたいなフリーなんて論外ね。」

 「なるほど。」

 「と、言うわけで、緊急避難的措置は極限状態になきゃ駄目だし、超法規については論外だから、正当防衛をどう立証するかって話になるわけよ。その正当防衛を立証するのも難しいから、殺すって選択肢をまず切り捨てる必要がわけよ。」

 「へぇえ。」

 「もう一つ、日本の裁判所はオカルトを認めて無いから、オカルト的理由なんて、一切通じないわよ。」

 「はい」

 「そういうわけで、鬼退治の場合、相手を殺してはいけないという制約があるから、殺さない程度に痛めつけて、身動きがとれない様に拘束するしか手が無いわけよ。だから、如何に相手を身動きが取れないように押さえ込むかって方法になるわけ。」

 「なるほど。」

 「だから、落とし穴とか、罠をしかけて檻に入れるとか、ロープや鎖でがんじがらめにするとかになるわけよ。」

 「へぇえ。勉強になりました。」

 「あら?まだ、話は終わってないわよ。」

 「そうなんですか?」

 「そうよ。罠にかけるとか、ロープでがんじがらめにするとか、一人で出来るわけが無いじゃない。だから、最低でも3人。できれば5人ぐらいでチームを組んでやるわけよ。私みたいな一匹狼じゃ無理な方法よ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ