美由の私服
「処で、桜間さん。服を着替えないの?」
須王寺がそう言った。
二人が来ているので、自分の部屋だが美由は制服のままである事を須王寺は疑問に思ったのだ。
美由は普段、学校から帰っても着替える事はない。制服のまま日が暮れる前まで勉強した後、ジョギング用の格好に着替えるのが日課であった。
「私、毎日、体力づくりのため走っているんですけど、その前に勉強をするんですよ。ですから、制服のままで勉強をして、走る時に着替えるんです。」
美由は一瞬、嘘を着こうかと思ったが、あれこれ聞かれると面倒臭い事になると思い本当の事を話す事にした。
「まあ、これは新たな一面を発見しました。桜間さんが毎日、走ってらっしゃるとは。」
「へぇえ。部活に入ってなのに、この前の短距離走で、陸上部の短距離エースと体一つ差だったのは、そう言う理由か。」
二人とも何故だか、妙に納得している様だった。
「私、勘違いをしておりましたわ。桜間さんって、マルチな才能を持った万能タイプと思ってましたが、実は物凄い努力家でらしたのね。」
「誰もが須王寺さんみたいにマルチな才能に溢れてないわよ。」
桐野が少し、嫌味を込めて須王寺に釘をさす。
「あら、私も頑張ってましてよ。」
須王寺は桐野の釘に反論した。
「で、桜間さんが、努力型でガッカりした?」
「そんな事はありませんわ。むしろ、誰にも気づかれない様に一生懸命頑張っている桜間さんを知って素敵だなと思ってます。」
美由は二人の会話を黙って聞いていた。
『人の部屋でケンカしないでほしいなぁあ・・・。やるなら、私の見て無いところでやって欲しい。』
美由がそう思っていると、二人は同時に美由の方に顔を向ける。
「桜間さん。」
須王寺がキツイ目で美由を見る。
「はい」
美由はビックリして、身を縮み込ませる様にそう答える。
お嬢様はキツイ視線から、笑顔になり
「桜間さん。この後、走りに行くんですよね?」
「ええ。二人が帰ったらですが・・・。」
「だったら、私達に見せていただけません?」
「はぁあ?」
「どんな格好で、桜間さんが走っているのか興味がありますの。」
「はぁあ・・・・。」
美由はワケがわからない。
ファッションセンスが全く無い美由は、そこの部分は切り捨てて、実用性を追求した格好をしている。須王寺を満足させるような格好であるはずがないのだが、それを見たいという。
『不思議な事を言う人だな・・・。』
そう美由が思っていると、桐野が割り込んでくる。
「私も、興味あるわね。桜間さんがどういう格好で走っているのかって。」
二人は、強いまなざしで、美由を見る。
「「着替えて。」」
「え?二人が見ている前で、ですか?」
二人はお互いを見て、しばらく見つめ合い、美由をみる。
「女同士ですし、気にする必要はありませんわ。」
「そうよ、体育の時間、教室で一緒に着替えているわけだし。」
二人はかなり強気で、美由に迫る。
美由はこの二人の強気に押されてしまう。
「わかりました。」
そういって、美由は恥ずかしがりながらベストのボタンをはずし、ベストを脱いだ。
カッターシャツのボタンを全て外した後、タンスの方へ行き、白のウィンドパンツやピチピチのランニングシャツを取り出し、着替え始めた。
美由は着替え終わる
「おお、須王寺さん。私は桜間さんのこの結構あるバストラインがこんなにハッキリ出ているのにエロさを感じているわけですが、どうおもいますか?」
「そうねぇえ。バストラインがくっきり出るのは良いけど、あのダボダボのウィンドパンツはいただけないなわね。」
「須王寺さん、私もあの体のラインを隠す様なウィンドパンツはどうかと。エロさが半減します。」
二人はお互いを見合う。
「「やっぱり、スパッツに短パンかブルマーですよね。」」
『この二人は・・・。てかブルマーって・・・。』