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魔法少女ガラミン  作者: からっかす
7話 鬼
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美術の時間

 美由はトイレの個室を出る。

 すると、何かビックと動くモノに視線が止まった。

 そこに居たのは近藤ジェミニだった。

 美由は、何事も無かったかの様に手を洗い、次の授業に向かう。

 ジェミニは美由がトイレから立ち去るのを確認し、美由が出てきたトイレに向かい話しかける。

 「ねえ。そこに誰かいるんでしょ?多分、赤いドレスを着てるんじゃないかしら?」

 ジェミニの見ている世界からいうと、ほとんど見えないぐらいの赤い塊があるぐらいにしか見えて無い。

 赤い塊はトイレの中から、ジェミニへと近づいてくる。

 そして、その塊は、女の姿へと変わる。

 「あら、彼女以外に見える子がいたの?」

 「だれ?あなた?桜間さんの知り合い?」

 「桜間?ああ、さっきの女の事か。知り合いという程のものではないな。」

 「あんた、さっき、授業中、教室の入り口の方に居たでしょ。分かっているのよ。」

 「ああ、居たよ。それがどうかしたのか?」

 「それが、どうしたって・・。あんた何者?」

 「私か?私はしがない退魔師だ。そして、今は何か金になりそうなオカルト現象を探している。」

 「はあ?」

 「お前は、あの女より目が良く無いようだが、推測するに私が消えていた時、赤色の塊の様にみえてたんだろ?ありていに言えばそういう普通であれば見えるはずの無いものが起こす怪奇現象を利用して、金を稼ぐ商売をしている。」

 「良くわかんないわね。何で桜間さんと一緒なわけ?」

 「ああ、私が何か金になりそうなオカルト現象を探して、昨日、この学園近くまでやってきたわけだ。で、調査してみると、昨日、何か魔術的な力が使われた形跡があってな。今朝、調査を行っていると、あの女と出会ったわけだ。あの女はお前と違って消えている私をハッキリと見る事が出来たからな。何かあると踏んだわけだ。」

 「良くわからない話ね。」

 「まあ、分かれというのが、無理はな話だな。」

 「それより、あなたって、桜間さんのことを調べているのね?」

 「まあ、そうだが。」

 「良かったら、その情報、売っていただけるかしら?」

 「あら。酔狂ね。」

 「でも、今は時間が無いから、昼休みにでも。」

 「了解したわ。」


 美由は赤服の女とトイレで別れた後の次の授業は美術・音楽の授業であった。

 彼女は美術を選考している。お嬢様方や美由の友達は音楽を選考しているため、知り合いと言えば桐野ぐらいである。女子の音楽人気が高いためか、こっちは男子が多い。

 今は桐野をモデルに、鉛筆で写生するという授業をしていた。

 美由は美術は得意ではない。

 正直、まともに絵を描けば、小学生高学年に余裕で負けるぐらい絵が下手だ。レベルとしてはせいぜい小学校中学年程度といった処だろう。正直、絵の才能のレベルはかなり低い。

 そんな彼女でも好成績を美術を収めているいるのには理由があった。

 実は、高校で美術の好成績を収めるのに、絵の才能は要らなかったりする。

 高校美術で求められるは、実は数学的考え方と、絵の描き方の知識だ。


 例えば、リンゴを描くのであれば、見たものをそのまま描くのでなく、まず、ちゃんとした『まる』を描く。

 何故、『まる』かというと、『球体』はどこの角度から見ても、絵にすれば必ず『まる』になるからだ。

 この描いた『まる』の中央に縦線を入れ『まる』を二分割する。

 この二分割した線上に、リンゴのヘタの付け根になる部分を決め、そこの付け根を基準にリンゴっぽくなるように、肉付け修正していけば、自然とリンゴの形になるのだ。

 こういう風に、形が近く、誰でも描ける円や四角、三角などの図形を組み合わせていけば大抵のものは描けてしまう。

 色のつけ方も、水生絵の具を使う場合、どうしても、濃く描いてしまうが、実は、そんな描き方をすれば全体が暗く雑味のある感じに仕上がってしまう。

 実は、大抵の場合、ほんのりと色をつけるだけで十分で、濃くびっちりと、色をつける必要などない。

 他にもパースや色のつけ方、光源など色々とテクニックはあるが、才能とは全く関係無いテクニックで何とかなってしまうのだ。



 桐野は美由を描いていた。

 二人とも、スラスラとお互いを見ずにお互いを描いていた。

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