↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/46

ペコちゃん

 以前のエピソードで、かぶちゃんがペコちゃんに攻撃しようとして、だけどかぶちゃんの手違いで私の手を噛んだ話をしました。

 それで、今度はそのペコちゃんと出会った日の話です。

 その頃私は、保健所で仕事をすることが多くありました。

 それで、とある保健所で午前中仕事して、昼休みになり、何となく背伸びがしたくて、それで保健所の中庭へ出ました。

 保健所って、なぜか綺麗な中庭のあることろが多いのです。

 タイルが敷いてあって、ベンチがあって、木が植えてあって。

 それで、そんな風景に、気まぐれ的に心魅かれた私は、そういうわけで、そこで背伸びをして、それからベンチにでも座って弁当を食べるか。

 そう思って中庭へとつながるドアを開け、一歩踏み出したら、

「みゃ~~~」


 その声は弱弱しく、そしてかすかに聞こえて来たのです。

 それで、私は操られるように、その声の方へと向かいました。

 すると小さな部屋があり、その中に無造作に網が、ドサッ!と投げ出すように置かれ、そして何と、その網の中に仔猫がいました。

 網の中ですよ!

 漁船で仔猫を海から釣りあげたってか?

 いやいや、網を使いとっ捕まえたみたいです。

 で、なぜとっ捕まえたかというと、通報があったからだそうです。

 子猫がみゃ~みゃ~言ってるって。

 そしてその仔は網から出ようして、もがいてもがいて、だけどもう疲れ切って、そして私を見ると、もう一度弱々しくみゃ~と鳴きました。

 だからさっき中庭で私が聞いたみゃ~は、その仔のSOSだったのです。

 その仔はふわふわの、クリーム色の長毛。

 ん? ラグドール?

 しかも例によって、何と! 殺処分予定。

 それも翌日!

 もうどうしようもないのです。

 そしてその日、私の家の猫は五匹となりました。


 その仔は最初、コペルニクスと名付けましたが、長たらしいのでコペちゃんにしました。

 だけどそのうちにひっくり返ってペコちゃんになり、それが定着しました。

 しかし考えてみると、あのとき私が保健所の中庭に心魅かれなかったら、そこで背伸びしようと思わなかったら、中庭へ出られるドアを開けなかったら、ペコちゃんのSOSのみゃ~は、決して聞こえなかったでしょうね。

 そしてこんな優雅な仔に育ちました。ふわふわです。

挿絵(By みてみん)挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。