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転生病を患った王子ですが、帰りたい  作者: 内向ひとり
第一章 王女奪還編
4/41

失われたもの

 拳を握るたびに、現実を思い知らされる。

 指先が汗で滑り、掌の感覚が薄れていく。


 地を伝う振動は、遠くではなく目の前――戦場そのものだ。


 緊張を解けば、俺は終わる。

 人間らしい最期すら、きっと迎えられない。



 バルグロスが唸り声を上げた。


 肺の奥から絞り出すような低音が、空気を震わせる。

 漆黒の毛並みが逆立ち、爪が地を抉る。


 石片が跳ね、砂埃が頬に貼り付いた。

 いつでも飛びかかれる距離。嫌な汗が頬を伝う。



 セオが、盾を支えながら声を張り上げた。


「殿下、よく聞いて下さい! あれは《加速》の祝福です! ですが、全身を加速した突進は殿下の一撃で弱化していて、私なら耐えられます!」


「爪と牙――局所加速に切り替えてくると思われます!

 私から離れすぎないでください!」



 言い終えるより早く、バルグロスが地を蹴った。


 轟音とともに空気が裂け、加速した右前足がセオの盾を横薙ぎに叩く。


 衝撃で風が弾け、セオの頬に赤い筋が走った。



「ッ――!」


 バルグロスの腕が振り切られる。

 その一瞬を逃さず、リゼルファが鎖付きの暗器を投げ放つ。



 金属音が響き、鎖が軌跡を描いた。

 刃は獣の腕を掠め、血飛沫が散る。


 だが、傷は浅い。獣の咆哮が鼓膜を震わせる。


「リゼルファ隊士! このままだと第三防衛隊の到着を待つことになります! 一撃で決められる攻撃手段はありますか!?」


「すまない、持ち合わせていない!」




 セオが息を切らしながら叫ぶ。


「仕方ありませんね……私の祝福《反衝はんしょう》を使います!」



 その瞬間、セオの身体から青い光が立ち昇った。

 空気が微かに震え、地面の影が揺らぐ。



「受けた衝撃を身体に留めて膨れ上がらせた一撃を放つ、必殺技もどきが出来ます!

 周囲の衝撃も私が肩代わり出来るので、ここからは果敢に攻めていきます!」


 セオは腰のポーチから小さな箱を二つ取り出し、力任せに砕いた。


 黒い煙と共に、バックラーとクレイモアが空中に現れる。



「殿下は流血するような攻撃を受けないように、この盾で身を守ってください!」


 投げ渡された盾を慌てて受け取る。

 その間に、セオは大盾を捨て、クレイモアを構えた。



「衝撃を溜めている間は身体が重く、機敏に動けません!

 そして留められる衝撃の総量には上限があります。許容を超えると、私の身体が爆発します!」



 さらりと恐ろしいことを言う。

 そりゃあ使うの、躊躇ためらうわな。



 瞬間、身体がふわりと宙に浮いた。

 考え事をしていたわずかな隙に、バルグロスが《加速》で突っ込んできたのだ。



 視界が白く弾け、空気が砕けるような衝撃。坂を転がる石のように、俺の身体は大通りまで吹き飛ばされる。



 背中から出店の屋根を突き破り、棚の中の陶器が一斉に割れる音が耳を刺した。


 瓦礫と埃の中でようやく停止したとき、肺の空気がすべて抜けていた。



 ……生きてる。



 息を吐き、手足を確かめる。セオが肩代わりしてくれた衝撃のおかげで、痛みはない。


 瓦礫を押しのけ、這いずり出し身の回りを確認する。


 バックラーは持ち手以外どこかにいってしまったようだ。



 遠く、青白い光を纏ったセオが大剣を振るっているのが見えた。全身を震わせながら、それでも一歩も退かずに。


 ――悪い、セオ。俺がぼんやりしてたせいだ。



 視線を動かすと、広場の噴水が目に入る。こんなに近かったのかと、妙に冷静な思考が浮かぶ。



 あの時、買い食いの行列に紛れて歩いていた時は、人の喧騒に紛れて気付かなかった。


 今はもう、誰もいない。

 屋台の布が風にあおられ、乾いた音を立てるだけだ。



 何も武器がないという事実が、急速に現実を引き戻してくる。


 その時、あの汗臭いオッサン――誓句を刻んだ品を売っていた商人の顔が頭をよぎった。


 出店を探すと、奇跡的に残っていた。崩れた棚の中には、煤をかぶった品々が並んでいる。


 環式かんしきを展開しても、知識がないので何も分からない。ひとつ、石より硬いと誓句が刻まれた布の手袋が目に留まる。



「……ないよりマシか」



 独り言のように呟き、それを手にはめる。

 指先から硬質な感覚が返ってくる。

 誓句の力がまだ生きているらしい。



「オッサン、この戦いが終わったら金払いに……」



 言いかけて止まる。まさか自分が死亡フラグ立てるようなことを言うとは。全く気付かなかった。


 思考を切り替えるように、踵を返して戦場に向き合う。




 呼吸が落ち着くと同時に、視界の端に光の残滓が走った。

 依然としてセオはバルグロスと撃ち合い、リゼルファが隙を突いて誓術と暗器を放っている。完全な膠着。


 その中へ――俺の足が勝手に動いた。


 戦場へ戻る理由は、ひとつしかない。

 フラッシュバックのように蘇る、あの悲劇を――二度と繰り返したくない。



 それが俺自身の感情なのか、王子として刻まれた記憶なのか、正直もう分からない。

 それでも戻る。

 たとえ足手まといでも、あの化け物を前に逃げる理由にはならない。



 環式かんしきを展開し、常人を遥かに超える力を足に込める。

 瓦礫を蹴った瞬間、空気が爆ぜた。



「馬鹿がッ! 何故戻ってきた!」


 リゼルファの怒鳴り声が聞こえるが、立ち止まるにはもう遅い。



「《夢縛むばく》!」


 手をかざし、叫ぶ。俺の影が剥がれたように薄い分身が前方へ飛び出し、一直線に黙獣へ向かう。


「セオ! これは囮だ!」


 囮が声を発する。バルグロスが牙を振り抜き、それを薙ぎ払った瞬間――。


 俺はさらに足に力を込め、上空へ飛び上がる。

 見下ろした背中を、狙い澄ますように。



「喰らえええぇぇぇぇぇッ! ――あ、やべ」


 昂ぶりのまま叫んだ声が、戦場の空気を震わせた。


 黒々とした巨体――バルグロスがその声に反応し、ぬらりと首を巡らせる。


 赤黒い眼孔が俺を捉えた瞬間、牙が閃き、稲妻のような軌跡を描いて襲いかかる。



 その瞬間、銀の鎖が唸りを上げて伸び、牙に絡みついた。

 金属が火花を散らしながら締め上げる。



「馬鹿が過ぎる……黙誓術スペル遅延スロウ》!」



 リゼルファの声が響くと、空気の流れそのものが濁った。

 世界が粘度を持ち、時間がわずかに遅延する。

 巨獣の動きが鈍り、牙の勢いがぴたりと止まった。



「ッシャオラァァァァァッ!」


 先に誓術で穿った傷口――甲殻が剥がれ、背骨の凹みが露出している。


 その一点に向かって考えるより先に、全身の力を右腕へ叩き込む。


 拳が空を裂き、轟音と共に背中へと沈む。

 硬質な衝撃が手首から肩へ突き抜け、骨が軋む。反動で全身が痙攣した。

 それでも腕を離さず、そのまま肉を抉るように深く押し込む。



 同時に、セオの右腕が爆ぜ、焦げた肉の匂いが鼻を刺す。

 遅れて俺の腕も悲鳴を上げ、骨が折れる音が体内に響く。

 そして……鈍く、重い音が拳越しに感触として伝わる。――バルグロスの脊椎が折れた。



 巨体が震え、足元の地面がたわむ。


「アハハッ最高ですよ、殿下! 《反衝はんしょうかい》!」

 セオが笑う。興奮に濡れたその笑いは、歓喜にも狂気にも聞こえた。



 彼が大剣を掲げた瞬間、周囲の空気が圧縮されるように歪む。


 音より早く、光が空を裂いた。

 衝撃波が轟き、バルグロスの首が一刀の下に落ちる。


 血と蒸気が噴き上がり、焦げた風があたりを撫でた。

 轟音、破片、熱気、そして血の匂い――すべてがひとつに溶け合い、静寂だけが残った。


 警鐘はいつの間にか止んでいる。



 崩れ落ちた巨躯を前に、セオはどさりと仰向けに倒れ込んだ。



「正攻法でない戦い方はやはり良くないですね。

 ここまで骨を折ることになるとは……」


 そう言う割に、セオの声はとても清々しい。



 ……終わったのか。

 血と煙の匂いの中で、ようやく現実感が戻ってくる。

 俺がこの身体で、生きている。

 それだけの事実が、今は何よりも重かった。



「……ごめん」

 俺はバルグロスの背に座ったままセオに謝罪する。



「いえいえ。それよりも私は、あなたが見込み通りの人物だったので、今とても嬉しいのですよ」


 確かに、セオは満面の笑みでいる。


「セオ隊士、素晴らしい活躍だった。今、私の祝福で治療する」


 リゼルファが片手をかざすと、淡い翠の光がセオを包み、傷の輪郭が静かに溶けていった。



◆◇◆




「――おかしいですね。第三防衛隊が来る気配がありません。……生き残りは確かにいませんが、形式上出てくるはずです」


 治癒の光がまだ肌の上で揺らぎ始めたばかりだというのに、セオは上体を無理やり持ち上げる。

 息の整わない声でそう呟きながら、セオは周囲を見回した。



 その言葉で、ようやく俺もあたりを見回す余裕が戻る。


 ――これが、戦場の“結果”なのか。


 胸の奥がひどく重くなる。

 助けられた者も、助けられなかった者も、その境界のあまりの薄さがただ怖かった。



「王女殿下の護衛で問題が出たのだろう。

 襲撃直後から、護衛と共に王女殿下の姿が見えなくなったのだ」


 リゼルファが期待できないといった理由がここにきてようやく分かる。




 すると血と焦げた臭いの中で、かすかに足音が響いた。

 第三防衛隊の代わりに、早足で駆けつける音が聞こえる。

 俺が誓術で助けた親子のうち母親が戻ってきたようだ。



「内務庁様、この度は命をお助けいただきまして、誠にありがとうございました! どう礼を尽くせば――」


 駆けつける母親の姿を見て安全と思ったのだろう、物陰に潜んでいた人々が続々と出てくる。

 一体どこで戦いの様子を見ていたのだろうか。



 大半は周りに集まってきたが、残りは……誰かを探すように辺りをさまよっていた。


 母親からかけられる賛辞は、耳に届いても意味を結ばず、ただ遠くで反響しているだけだった。



 倒れたまま二度と立ち上がらない者たちの姿がちらつき、生き残った自分との理不尽な線引きに、胸の奥がざらつく。

 ……生き残った自分がその賛辞を正面から受け取っていいのか分からなかった。


 そう思った矢先、母親の声がふいに止まった。



 どうしたのかと思い顔を向けると、血の気が引いた青ざめた顔があった。



「オ、オルセオン王子殿下!? お声がけしてしまい大変申し訳ございません! まさか王子殿下に助けていただいたとは……!」


 母親の声に驚き、気づいた民衆は一斉に俺に向かって頭を垂れる。



 あれ? 認識阻害の誓句入りマントを羽織っていたはずだが。

 そう思って見てみると、バルグロスに吹き飛ばされた時であろう、外套は見るも無惨に引きちぎれている。


 民衆は俺からお赦しの言葉を待っているようで微動だにしない。



 これ声掛けしなきゃいけないやつだよなぁ……そう思っているとリゼルファの視線が突き刺さる。ヘタを打つなよ、と。



 ため息を付きつつ、俺はバルグロスの背から飛び降りる。



「面を上げてください。人々を助けるのは王族の務めですから」



 腕の"いやな"震えをごまかすために、胸の前でそっと右手を掲げ、できる限り落ち着いた威厳のある声で告げる。

 その言葉に皆顔をあげるが、息を呑み顔面蒼白になる。


「オルセオン王子殿下……その、お手が……!」



 ん? 手?

 自分の右手へ目を落とす。次の瞬間、脳が一瞬空白になる。


 手首はありえない方向へ折れ曲がり、白い骨が皮膚を突き破って覗いていた。

 戦いの熱で痛覚が鈍り、完全に気づかなかった。



 絶叫し卒倒しそうになった瞬間、国王とネモール王子の顔が浮かぶと共に"殺す"と幻聴が聞こえ、口を無理矢理閉じ、姿勢を正す。



 (せっかく乗り切ったのに死ぬ訳には……いかない! 今ここで絶叫したら本当に殺される!)



「--この程度、黙獣に倒れた人々の痛みに比べれば取るに足りません。

 ここにいる(みな)の命が守れたのなら、それで十分です……」


 声は震え、涙が頬を伝って落ちていく。

 それでも言葉だけはなんとか絞り出した。

 ――人生で一番、頭が回っている気さえした。



 言い終えた瞬間、取り囲んでいた人々から歓声があがる。



 俺は民衆に背を向けて、リゼルファに口パクで”治して”と号泣しながら懇願する。


「ククッ、"品が良くなった"な」


 リゼルファは、初めて見せる柔らかな笑みを浮かべつつ手をかざした。

 ……どう見ても褒めてはいないので、その笑顔が腹立たしい。




 薄翠の光が手を包み、骨の軋む音が遠のいていく。

 王子として民の前に立つ、という最初の務めは、己の痛みを押し殺し、ただ威厳を保つことだった。



 興奮する民衆を鎮めようと、セオがよろめきながらも立ち上がった。


「まもなく王国騎士団黙獣対策課が参ります! 現場保全のためこの一帯閉鎖します!」


 焦げた右腕を押さえながらも、声だけは凛としていた。



「被害に遭われた方の中に、ご家族・友人・知人いらっしゃるかと思いますが、今はご協力ください!」


 セオの一声で民衆は大人しくなり、皆礼をして帰っていった。よく鍛えられている。



「とりあえず我々は黙獣対策課が来るまでに治療を終わらせましょう」


 セオは座り直し、リゼルファの光にあたる。



「……被害は出てしまいましたが、王子殿下のおかげで被害拡大は抑えられました。

 民衆にも王子殿下の活躍はしっかりと伝わっていくでしょう」


 拳を固く握りしめながらセオは自分にも言い聞かすように話す。



「--そもそもだけど何で黙獣がいきなり街中に現れたの? 日常的にこんなこと起こるの?」


 俺は素直な疑問を二人にぶつける。


「いえ、"普通"ではあり得ません。先ほどの戦闘でご覧になったかと思いますが--」


 そう言いながらセオは腰のポーチから小さな箱を一つ取り出し、こちらに見せると、同様に手のひらで砕く。

 すると黒い煙を立て、中からロングソードが出てきた。


 何度見ても目を疑う。まるで手品のようだ。


「このように実際の大きさを無視して、収納が可能となる《空印筐(くういんきょう)》という上級の誓句が刻まれた(はこ)があるのですが、これを使わねば今回の事は成し得ません」


「……もしかして、これ黙獣も入れられるってこと!?

 こんなの一瞬で国家転覆出来るじゃん!」


 俺の感想にセオはそうです、と静かに肯定する。


「そうならないために、門番は相当に検査を行なっているのですが……門番が原因でなかったとすると、事が更に重くなります」


「どういうこと?」


「犯行に使われた空印筐(くういんきょう)の出所がこの国--もっと言うと検査を通さずに国内に持ち込むことが出来る、かなり役職の高い人物が犯人ということです」


「しかも今日、この広場には王子殿下と王女殿下がおりました。明らかにどちらかを狙った犯行で、間違いなく国家転覆を狙ったものだと思われます」


「……そのあたりの調査は、彼ら、黙獣対策課に任せましょう」


 俺とセオの傷が癒えた頃――ようやく、黒紋の外套に内務庁の徽章を刻んだ一団が厳然と姿を現し、セオは口を噤む。




「内務庁黙獣対策課、現場鎮定に参上仕さんじょうつかまつりました!」


「オルセオン王子殿下、この度のご活躍、民の間にも聞き及んでおります。殿下の勇断、まさしく陛下の誉れにございます」



 先頭の男が胸に拳を当て、高らかに宣言する。

 俺――つまり第一王子がいると分かったから急いで出てきたというのが、透けて見えた。



「世辞は不要だ。到着が遅れた理由を聞きたい」



 ――というのは建前だ。

 会話を続ければボロが出る。早めに切り上げたかっただけ。


 言い逃れのために被った“王子”の仮面が、自分でも自然に張り付いているのが分かった。



「報告します――リサナ王女殿下が行方不明です。

 黙獣襲撃の混乱の中で消息を絶ち、現在、第三防衛隊と共に捜索中ですが……いまだ発見には至っておりません」



 報告官の声は震えていた。

 周囲の兵士たちも沈黙し、誰も視線を上げようとしない。

 ただ沈痛と責任の所在だけが、静かに満ちていた。



 王女を狙った襲撃――それが失敗し、拉致に切り替えたのか。

 現状ははっきりしないが、間違いなく誰かがこの国の中心を撃ち抜こうとしている。



 そしてひとつ、理解できた。



 この国では、民の命よりも王女ひとりの不在が重く扱われる。

 秩序を守るという名のもとに、民の犠牲は軽んじられ、名だけが崇められる。


 失われたのは、王女ではない。

 本来、道徳の上にあるべき重みの均衡そのものだ。



【2025/11/02】

・平民が駆けつけた際の表現を修正

・助詞の間違い修正

・黙獣対策課の報告前後の文章修正

【2025/11/14】

・可読性向上のため、句読点追加・改行挿入

【2025/11/28】

・戦闘決着の描写修正

【2025/12/31】

・表現整合

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