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鍵の行方(2/3)


 目を覚ますと、言い訳の多いあの文官が心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。


「殿下! お目覚めになられて良かったです!」


 文官の生暖かい吐息が顔にぶつかる。

 ……あまり気持ちのいい目覚めにはならなかった。


「どれくらい気を失っていた?」


「ほんのわずかです。ここに運んできてすぐにお目覚めになられました!」



 まだ耳の奥に残る痛みに、顔をしかめつつも身体を起こす。



「オルセオン王子殿下、改めてお礼を。殿下のお陰で場は鎮静化いたしました。

 また、ノエルド侯爵家のセオ殿が、殿下のご尽力を称揚(しょうよう)されたことで、白誓院の方も歩み寄り、進行をこちらの段取りに合わせると申し出ました」



 セオ……一体何を言ったんだ。

 そう思ってセオの方を見ると、微笑むだけであった。



「役に立てたようで良かった。

 そして早速で悪いが、人払いを頼む。セオ、リゼルファと内密に確認したいことがある」


「は、はい! 承知いたしました!」



 文官の退出を見届けてから、口を開く。



「避難所に――おそらくだけど、ネレドリア新王国の関係者が紛れ込んでいると思う」



「!? それはどういうことでしょうか?」



「俺の宣言の後、群衆が崩れそうな雰囲気があったと思うけど、その時――前話した俺の新しい祝福《帰標(きひょう)》で安全な導線を確保しようとしたら、おかしな反応が複数あって。

 それで本来の使い方をしてみたら、帰る先が海を超えて……で意識が切れた」



 帰る先があまりにも離れていると、意識がそちらに引っ張られる制約があるようだ。

 こう、身体から無理やり意識を剥がされたような――。


 ん?

 まさか、同郷のやつに使ったら意識ごと日本に帰れたりしない!?



 いや、よそう。俺は王になると誓ったのだ。

 ……同郷の転生者を見つけるのは寿命的に無理そうだし。



「なるほど。白誓院の動向やこちらの調査状況把握、火種作りなど有効打が散りばめられているな。

 身元を追及されない日雇い労働者に扮すれば、それも可能と」


 リゼルファは策に感心しているように頷く。


「捕えて口を割れば――!」



 セオは興奮気味に対策を口にしようとするが、俺はそれに被せて言い放つ。



「いや……彼らには自白してもらおう」



 ここから反撃開始だ!




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