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王の計謀


「今更だけど相手の心を読むとか、自白させるとか――そういう便利な祝福ってないの?」



 俺の素朴な問いに、セオとリゼルファは視線を交わす。



「国王陛下の持つ祝福が分かりやすいでしょうが……そういった類は希少ですし、物証まで落とすのが難しいのです」



 そうだった、と思い出して俺は叱られる前に口を挟む。



「あー……兵を動かすにも証拠と検証が要る。そしてこの惨状だからか」



 その通りです、と短く肯定が返ってくる。




「……国王が圧力かけとけば、こんなことにならずに済んだんじゃないかな」



 書面上の数値を追いながら、思わず声が漏れ出る。

 誰に聞かせるでもない独り言を、リゼルファが拾う。



「そういえば以前政治について勉強を、と話していたな。

 『政治は事実より意図を読む』

 今回の事例が適しているので説明はするが、先の結論だけ覚えておけ」



 疑問に思いつつも耳を傾ける。




「国王陛下は、ドルバン王子ならびに辺境伯がネレドリア新王国と通じていたことを――まず間違いなく把握している」




 衝撃の一言に思わず立ち上がりそうになったが、目で制される。




「汚れた益でも民は潤い、土地は強くなる。

 浄化すれば、痩せ細り国境付近は弱化、窓口も情報線も消える。

 手綱を誤れば、国力は削られる。今回の件がまさにそうだな」



「被害を出さなきゃ黙認してたってことか……」




「城下での騒動は、民の溜飲を下げねばならない。

 だが、誓環士に罪を被せるには白誓院は強大すぎる。

 であれば、冤罪を着せるか――真実を暴いて正当に裁くか、どちらかだ」


 リゼルファは淡々と続ける。


「権力を行使しない、平民同然のオルセオン王子殿下が真実に辿り着かなければ、民にも届かない。

 国王陛下はそうお考えなのだろう」



 頭を殴られたような気分だった。



 倒れた人々の雪辱を晴らす、その動機であった。

 だが解決できなければ、無関係の人が吊るされてしまう。



 そんなこと、絶対に許してはいけない。

 俺は改めて、胸の内で誓った。



 必ず、この件を解決へ導く。



 いつも転生病を読んでくださり、誠にありがとうございます!


 二章では更新頻度を上げる代わりに、文章を千文字程度に収める実験をしてみます。

 あしからずご了承ください(^人^)

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