森を探索、何か聞こえる…
「ちょっと休憩しようか」
木陰に座り、ルークは背負ってきた荷物を下ろす。
そこから、ルーク&ミーナ組と亮&美月組のふた組に分かれて、周囲を探索することにした。猫たちもそれぞれに付き添って動き出す。
「こんなとこに温泉あるのかなぁ……ミーナはよく覚えてないだろうから……猫たち! わかるか!?」
「にゃっ」
猫たちは尾をふりふり、頼りになりそうな素振りで歩き出す。
「ミーナもがんばるよ」
「うんうん、頑張るミーナも可愛いなぁ」
ルークがにっこり笑い、ミーナは照れたように頬を赤らめる。
森の中には、苔むした大きな木、小川のせせらぎ、見上げるような崖などが点在し、どこか幻想的な雰囲気をまとっていた。
だが、温泉らしい匂いは感じられない。
『ルークよ、フォースを信じよ』
「……あかん、なんか聞こえてくる(笑)。あの美月って子がボケてくるせいだな、きっと、
で、なければチャラいスーツを着た男だな…」
何度か探し回ったものの成果が出ず、ルークたちは丘まで戻ることにした。
そこにはすでに亮たちが戻っていた。
「どうだ!? 見つかったか?」
「いや、見つかんねー」
「疲れましたぁぁ」
「そっかぁ、こっちも見つからなかったよ」
その時、ミーナが猫たちと遊んでいた草むらから駆けてきた。
「おにぃぃ、ミーナねぇ、とまと食べるぅぅ〜」
「おうおう、いいタイミングだな。……お二人さんも、トマトどうぞ」
ルークが籠を差し出す。
「ありがとう」
「やっばいですよ、うますぎですよ……!」
甘酸っぱい果汁が口の中に広がり、美月が感激した声をあげた。
「しかし、良いところですねぇ、先輩」
「……ああ、そうだなぁ」
「この前なんて、ピラミッドにミイラでしたもんね(笑)」
「思い出したくねーな」
「……あんたら、どんな異世界行ってるんだよ」
ルークが苦笑しながら言う。
「でもさぁ、温泉見つけてどうするんだ!?」
「そーいや、説明してなかったか?」
亮が言いかけると、美月が楽しそうに割り込む。
「あたしたち、いろんな異世界行ってるんですけど〜、温泉に入ったあと、お約束で戻ってくるんですよ〜」
「なんなんだよ、それ(笑)」
そのとき、ミーナが小さな声で叫んだ。
「あっ!! あのときの“おばあさん”……」
その目は、森の奥をじっと見つめていた。




