「 ミーナ、旅に出る!? ~にゃふぇ探検隊、出動なのだ!~」
数日後の朝。
兄ルークが畑でトマトの手入れをしていると、ミーナが荷物を背負って現れた。
「おにぃ! ミーナ、今日、行ってくるねっ!」
「……どこに」
「ミーナ、考えたの。とまとジュース屋は楽しかったけど、もっと“なにか”できるって気がするの!」
「どんな“なにか”なんだ……」
「まだわかんない! でも、探してくるの!」
にゃふぇ「にゃふっ!(探検にゃ!)」
ミーナの小さなリュックには、パン、地図らしき紙、そして猫用の干し魚。
……そして、よく見ると手書きの看板に“にゃふぇ探検隊・第一隊出動!”と書いてある。
「せれにはお手紙書いたから! もし心配したら読んでって伝えてね!」
「おいミーナ、せめてどの方角行くのか……」
「えーと、たぶん、あっちーっ!」
「それ森の奥だぞ!? 猫の言うこと真に受けるな!」
──しかし止める間もなく、ミーナは猫たち(※6匹)を従え、意気揚々と森の方へ歩き出してしまった。
ルーク「……なあ、にゃふぇ。お前、今の止める役目じゃなかったか……?」
にゃふぇ(兄の足元でコロン)「にゃふぇ?」
その日の夕方。
ミーナは、知らない丘の上で、ちょっとだけ迷子になっていた。
「うーん……どっちから来たっけ……?」
猫A「にゃあ?」
猫B「にゃぅー」
「……ふふ、でも、なんか、わくわくするね」
空は広くて、風が甘くて、地面の草の匂いが、ミーナには冒険の匂いに思えた。
そのとき──
ひとりの“おばあさん”と出会う。
「ほぉ……珍しい子じゃのう。おぬしら、旅の途中かい?」
「うん! ミーナ、なにかできること探してるの!」
「ほっほ、それは立派な心がけじゃ。なら、この“山のはちみつ”を少し分けてやろう。使い道を見つけたら、また会いにくるがよいぞい」
こうして、ミーナの手に“森のはちみつ”が渡る。
これが、のちに“スイーツ革命”を引き起こすとは──まだ誰も知らない。




