ミーナと銀の扉と不思議の国 ~バカかわ姫騎士、時空を超えてまた迷子!?~
子供の頃に読んだ絵本や小説、おぼえていますか?
夏休み、感想文とかありましたよね。
自分は読書感想文苦手でした(笑)。
ある晴れた午後のこと。
お昼寝から目覚めたミーナは、庭を駆ける白くてふわふわの猫を見かける。
「……あれ? しろ? でもちょっと違うような……」
猫は金色の懐中時計を持ち、忙しそうに「遅刻遅刻~っ!」と叫んでいる。
それを見たミーナは反射的に叫んだ。
「にゃんこーっ!? まってくださいなのですーっ!!」
そして、木の根元の穴へ――落ちた。
落ちた先は、おかしな形の部屋。上が下で、下が天井。
テーブルの上には「たべてね」と書かれたクッキーと、「のんでね」と書かれた小瓶。
もちろん、ミーナは――
「まずは飲むのですっ!」
そして、大きくなったり小さくなったりしてドタバタしつつ、ようやく出口を見つけた。
だがその先は、もっとおかしい世界だった。
◆◆◆
小さくなったミーナが歩いていくと、そこにはおしゃべりする花たちの庭が。
「まるでお花の猫会議なのです……!」
しゃべるヒマワリ、うたうバラ、踊るパンジー。
だけどすぐに、赤いトランプ兵たちが行進してきた。
「女王陛下のお通りだーっ!」
トランプたちは庭のバラを赤く塗っている。
「なんでなのです!? 白いままじゃだめなのですか!?」
「白いバラは女王が嫌いなんだ! 消されるぞ!!」
そのとき、突然 “ハートの女王” が登場!
「首をはねよ!!」
「ひぃぃ!? ミーナ、なにもしてないのですーっ!!」
ミーナは猫たち(どこからともなく来た)と一緒に逃走!
◆◆◆
逃げ込んだ森の中、ミーナたちは長いテーブルの前に案内される。
そこにいたのは、
帽子屋ねこ(ハットマン)
時計ねこ(うさぎ)
眠たそうなねこ(ドーマウスの役)
「お茶会なのですか? ミーナも入っていいのですか!?」
「もちろん! でも、このお茶会は永遠に終わらない!」
「なんと恐ろしいのです!?」
どれだけ紅茶を飲んでも、またティーポットが満たされる。
ミーナがカップを倒すと、時間が逆戻りして同じ話が始まる。
「あれ? 今さっきもこれ言ったような……?」
不思議の国の時間は“常に午後三時”
でもミーナはついに声をあげる。
「時間は、にぃにとおやつのためにあるのですーっ!!」
すると時計が「チン」と鳴って、お茶会は終了した。
「……終わったのです?」
「終わったね」「終わったらしい」「ほんとに終わったのか?」
そして次の扉が現れる。そこには銀色の文字。
《しんじるものだけが進めます》
◆◆◆
次にたどり着いたのは、“自分の名前を忘れる森”。
猫たちですら、うっかりミーナの名前を忘れてしまう。
「わたし……だれ、だったのです?」
鏡のような湖にうつったミーナの顔は、どこかさみしげ。
そのとき、銀色の靴がやさしく光る。
「そう、ミーナなのです。にぃにの妹で、猫たちの友達で……元気すぎて時空を超える姫騎士なのです!!」
すると森の木々がざわめき、“涙の鍵”が湖に浮かび上がる。
扉がひらき、ミーナは最後の広場へ。
◆◆◆
最後にたどり着いたのは、巨大なトランプ宮殿。
「ミーナ、女王を侮辱した罪で起訴されます!!」
「な、なんでなのです!?」
次々に証人として現れる帽子屋、時計うさぎ、ねこたち。
「彼女はですね、お茶を全部飲みました!」
「それはお茶会だからなのですー!!」
最後に女王が叫ぶ。
「首をはねよ!!」
ミーナは叫んだ。
「そんなのぜったいにダメなのですっ!!」
その瞬間、銀の靴がまばゆい光を放ち──
――気がつけば、ミーナはお昼寝していた庭のベンチにいた。
「……にぃに?」
「おう、よく寝てたな。なんか夢でも見てたのか?」
「うん……変な国に行って、ねことトランプとお茶会と裁判で……」
「お前、またバカかわいいことやってたんだな」
ミーナはむくりと起き上がり、にっこりと笑った。
「今度は、にぃにも一緒に来るのですっ!」
ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」楽しいですよね。
続編?の「鏡の国のアリス」「地下の国のアリス」知っていますか。