「ミーナ・バ〇ア・クー、ネコジャック!」
ある朝、目覚めたミーナが小さく叫んだ。
「に、にぃ……っ! あばおくが……!」
「えっ、まさかまたケモノか!?今度は地雷でも埋め——」
「ちがうっ、にゃんこっ!! にゃんこが占拠してるぅぅぅ!!!」
—
慌てて飛び出すと、そこには信じがたい光景が広がっていた。
ミーナ・バ〇ア・クーの入り口、屋根、見張り台——すべてがネコまみれだった。
「ぬおおお……!! 何匹いるんだこれ!?」
数えてみると、ざっと6匹以上。
どの子もふてぶてしく、しかし堂々と「ここは我々の拠点である」と言わんばかりに寝そべっている。
「うそ……ミーナのひみつきちが……ねこだらけに……」
ショックで崩れ落ちるミーナ。
しかし、次の瞬間——
「……かわいすぎる……♡」
突然、目がきらきらに変わった。
「にぃ!! ミーナ決めた! 今日からここ、『ミーナ・キャット・バオア・クー』!!』
「改名かよ!?」
「にゃんこの拠点にするの!!」
—
こうしてミーナは、拠点の一角に「ねこ専用スペース」を開設。
古布をクッションにし、小皿にミルクを用意し、手作りの“キャットしゅろーだむ”を設置。
兄はというと、なぜか「ねこ脱走防止柵」を本気で設計していた。
—
数日後、村人たちは噂し始めた。
「グランフィード家の……あの砦……猫が守ってるらしいぞ」
「見張り台にいる猫、マジで目が鋭いから」
「もはや、あれは猫の要塞では……?」
—
兄の一言メモ:
「この砦は……もはや“人と猫の共生型要塞”。世界初かもしれん。どこに向かってるんだ俺たち……」
—
ミーナは今日も、ネコたちといっしょに秘密基地でお昼寝。
「ふふ……にゃんこに囲まれて……ミーナ、さいきょう♡」
その笑顔が、兄の次なる創作意欲を燃やすのだった——!