カメムシ、言うほど亀に似てない
はいどーも! この時期になりますと、みなさんの家のベランダ、網戸、窓の下なんかに現れるカメムシについてエッセイをお届けいたしますよ。
カメムシ、そんなに好きな人いないのではないでしょうか? 日本には約千種のカメムシがおります。
我が農家にとっても大害虫でございましてですね、よく『一等米』『二等米』『三等米』なんて聞いたことないでしょうか?
これ農協の基準がありましてね、千粒取り出して中に二粒黒い米があったら等級を落とされます。
その黒い米の正体がカメムシの仕業!
お米って成長過程中に、固くなる少し前はミルキーな状態で乳白色の液体みたいな時期がございます。(見たわけじゃないが)
その時にカメムシがプーンと飛んできて籾をチュっと吸ったら終わりです。
犯された純白お米ちゃんは、ドス黒い黒ギャルに変貌し、農協職員に『二等』の烙印を捺されることとなります。(ホントに判子を捺される)
カメムシだって一匹じゃないし、生きるためのお米に『チュ』は、一回に留まることはないよね? つまり、あーたたちなろう民が「わー、黄金の海。あんなに波打って素晴らしい景色ね!」と文学的に感想を述べる田んぼの中には、実はとんでもない戦いがあるのだ!
だって、見たことないでしょ? 茶碗の中に黒い米が入ってるの。
そーなのよ。それを防ぐために、日々農家の皆さんが苦労なさっていることを忘れてはなりませんよ?
『米』という字は『八十八』回の手間が掛かるという意味ですよ。
ホントに? そんなに手間はないよーな。まぁ昔は苦労なすったのでしょう。
語りましたが、今回はお米の話ではござーません。お米の話が欲しい方は感想などでリクエストしてちょうだいね。
本日は、そのカメムシ! 漢字で書くと『亀虫』ですよね。
言うほど『亀』かぁ? そんなに亀に似てないよーな。
『象虫』は象に似てるよ? あ、マジ象じゃん。てなるもん。『蓑虫』は蓑かぶってるしね。それぞれ特徴をついとる。
でも亀虫……。昔の人は五角形くらい見ると「カメ!」って言っちゃってたんだろうね。それか名前決める人が、相当圧力ある人だったか。
「これ、亀に似てるよね!?」
ってやられたら「うん……」とか「……そだね」ってなっちゃったんだろうね。
ワシが小さい頃、ワシの父は『ヘコキムシ』って言ってましたよ。『ヘクソムシ』とも。
『ヘコキムシ』は漢字で書くと『屁放き虫』、『ヘクソムシ』は『屁糞虫』でしょうな~。んー、下品。そんなんでいいの? たしかにカメムシは悪臭を放ちますけどね。
マジでそんな風に呼ばれてるのかとwikiで『カメムシ』を調べてみたら『コキムシ』と言う地方も有るらしいですね。
『へ』は略したのか、下品だから避けたのか。
江戸の火消しは48組あって、「いろはにほへと」の順で組があるそうですが、『へ』は『屁』に繋がって下品だからって『へ組』は無かったそうですよ。だから『コキムシ』。んー、伝わりますよ、それでも。
だからさ、『ヘクソカズラ』もそんなひどい名前にしないであげてよ。漢字で書いたら『屁屎葛』。『屁』だわ『屎(糞)』だわ『クズ』だわで大変な名前です。ヒドイ、酷すぎるぅ!
(葛であって、屑ではないような……)
もう少し、配慮があってもいいと思いますよ。ええ。
おっとカメムシでしたね。
そんなこんなで嫌われもののカメムシですが、自分の悪臭が自分にダメージがあるのだとか。
悪臭を出しているカメムシを密閉容器にいれると臭みに耐えきれなくて死ぬそうですよ。なにしとんねん。
そんなカメムシの仲間には、あのカッコいい『タガメ』もいるのだとか! たしかに漢字で書けば『田亀』だもんね。でも元々田んぼに亀はいたりしたのでは……?
たしかに、タガメをよーくみると、カメムシに似てますね。でも鎌があって、めちゃくちゃイケてるお姿!
進化の過程で、田んぼと畑に分かれちゃったんだね。最終的にはカメムシも田んぼの稲にすがるけどさ。
タガメと比べたらカメムシの扱いはヒドイものです。
と言ったところで本日のエッセイ終了。またのお楽しみを。