【解説】第二章 第一幕 旅立ち
==============================
「サボり(さぼり)」
==============================
フランス語のストライキを指すサボタージュ(Sabotage)を語源としています。その先頭の2文字「サボ」に日本語の動詞「る」を付与した造語です。そして、名詞化したものです。
葵衣は本来頭が良いのですが、日本語として定着化した未来の癖として使用してしまいました。
==============================
「野宿火(のじゅくび)」
==============================
日本全国に出没する「怪火」の一種です。「怪火」は怪しい火の怪異・妖怪の総称です。
「野宿火」は、信州南部に存在する怪異の様です。作中の説明にもありますが、人畜無害の灯の怪異となります。
==============================
「日本の茶(にほんのちゃ)」、「ハーブティー(Herb tea)」
==============================
日本でメジャーなお茶として、緑茶が挙げられると思います。
緑茶の製法は、「茶葉を摘む」=>「茶葉を蒸す」=>「茶葉を乾燥させる」です。この通り、時間がかかります。番茶、ほうじ茶、麦茶などもありますが、やはり時間がかかります。
ハーブティーも一般的に市場に出回っている乾燥した「ドライハーブティー」。逆に生のハーブを用いる「フレッシュハーブティー」があります。
今回葵衣が作ったのは、時間のかからない「フレッシュハーブティー」を淹れました。
==============================
「道化師(どうけし)」
==============================
多くは「ピエロ(仏:pierrot)」と呼ばれる、「ひょうきんな動作を行う者」「愚かに踊らされる者」の使い方がされます。
道化師の歴史は意外と古く、安土桃山時代と言われています。道化は実在の人物の名字です。今の芸人の様に、人を楽しませる事に長けた人物とされています。この「道化」が「おどける」に変化し、おどける人物を「道化師」と呼びました。
調べてはいませんが、道化師に「ピエロ」を当て字にしたのは、明治時代の文豪ではないかと想像しております。
==============================
「陣笠と雑炊」
==============================
戦国時代の陣笠をみると、逆さにすれば鍋の様に使える事が解ると思います。複数の用途を使える、あの形は画期的だったかと思っています。
いつの時代も同じですが、戦争には兵力と共に、兵站が重要になってきます。「兵站」は、銃弾や武器、兵器の燃料、兵士の水食料や衛生器具など、継戦能力を支える物資です。
もちろん、戦国時代も兵站は重要であり、田畑を燃やしたり、兵糧攻めなども戦術でした。
以前にも出ましたが、「雑兵物語」は一般兵のガイドブックになります。その中に食事の項目があります。干飯を陣笠を用いて、粥にして食べます。
米等は基本支給されますが、具材などは個別に調達して鍋を彩ったようです。