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【解説】万能薙刀娘とオタク侍の乱世介入記  作者: 滋賀 おうみ
第一章:因果の崩壊と物語のはじまり
4/7

【解説】第一章 第四幕 豊穣の女神と異界の天使

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「カタカナ発音」

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 この物語に限った事ではありませんが、耳慣れない発音は聞き取れない物です。現代日本では、英語発音はそこそこ聞き取れます。

 茂玄や朱莉が聞き取れない設定になっています。

 豊受気媛(とようけびめ)が聞き取れたのは、神の成せることでしょう。




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「ユグドラシル|(Yggdrasill)」

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 日本語では、世界樹(せかいじゅ)とも。

 北欧神話の世界を形作る世界をすべて内包している空間です。九つの国と記されていますが、実際にはそれ以上の国があるようです。

 神々の国、「アースガルズ」。人間の国、「ミズガルド」。巨人の国、「ヨーツンヘイム」。死者の国、「ヘル」などが有名でしょうか。

 国の他にも、主神オーディンが知識を得た「ミーミルの泉」など、どの国にも属さない場所が散見されます。




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「日本神話(にほんしんわ)」

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 「古事記(こじき)」と「日本書紀(にほんしょき)」。二つ合わせて「記紀(きき)」と呼びます。両書とも国の成り立ちについて、奈良時代にほぼ同時期に編纂されています。

 興味深い事に、共通する事柄も多い中、神名の表記が異なる事。例えば女神の名、「ひめ」は古事記では「媛」、日本書紀では「比売」を使います。


 作中にも出てきましたが、日本神話は大きく分けて三つ。他にも有名な話として、ヤマトタケルの話などがあります。中には、竹内文書、東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)、ホツマツタヱなど日本の歴史が中国より古いとする文書もあります(偽書扱いですけど)。


 国産みの話などは、東南アジアの神話の影響を受けている形跡があります。他にも様々な各地の神話などが取り入れられているとみられています。

 白人至上主義などでは、洪水伝説(ノアの箱舟)で人類が再スタートというのもあります。ダーウィンの進化論の全否定をしています。現在では進化論も議論の余地があるそうですが、よくわかりませんでした。

 あとは、アトランティス、ムー、レムリア等の失われた各大陸や帝国・文化、各地のオーパーツ(ほとんどは別物と判明)。かと思えば、ギョベクリ・テペの様な文明史を大きく変える遺跡とか。

 人類の文化はまだまだ謎に満ちています。




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「大陸の神話(たいりくのしんわ)」

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 作中で、茂玄が思い返していましたが、大陸(中国大陸)の神話も存在します。

 日本神話とは違った趣ですが、こちらも無からの創造がメインになっています。うろ覚えですが、中国の四代奇書と呼ばれる小説。「三國志演義(さんごくしえんぎ)」「水滸伝(すいこでん)」「西遊記(さいゆうき)」「封神演義(ほうしんえんぎ)」。あるいは「金瓶梅(きんぺいばい)」。それらの冒頭には、大陸の神話から話が始まります。

 封神演義(ほうしんえんぎ)は、古代王朝の(いん)(商)が西周に滅ぼされる物語。その中心人物の妖狐妲己(だっき)は、女媧(にょか)の命を受けての働きになります。




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「比売神(ひめがみ)」

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 女神です。この作中では、豊受気媛(とようけびめ)を指します。オルルーンは異邦の女神と表現していますので、女神を使い分けるために使用します。




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「蓉子(ようこ)の容姿」

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 身長六尺は約180センチ。四人の中では高身長です。ただ、実際には170センチ位の設定です。

 小袖(こそで)は一般的な衣装です。イメージカラーである白がベースではありますが、真っ白だと死に装束になりそうなので、やや青味をつけました。最後に狐に憑依したので、定番の耳と尻尾です。

 文中では語られていませんが、元の狐の魂は現在も蓉子の体の中です。




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「首無し葬列(くびなしそうれつ)2」

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 前回でも軽く触れましたが、首無し葬列は長野県北部に伝わる伝承です。狐の悪戯とされています。他にも、狐ではなく、天狗という話もある様です。


 新しい履物に関しては、この地域以外でも伝承があり、それなりの作法がある様です。作中にも説明はありますが、陽がくれた後には新しい履物を卸すと狐に化かされるというものがあります。なので、どうしても卸さずにいられない時は、履物の裏に炭を塗る習慣があるそうです。


 「首無し葬列」ですが次のような話です。

 川辺で寝ていた狐に、通りかかった山伏が耳元で法螺貝を吹き驚かした。驚いた狐は川に落ち、山伏は笑い去って行った。その山伏が森に入ると、葬列の音が聞こえ、そちら見てみると首無しの人々が葬列をなしていた。恐怖を覚えた山伏は木に登って逃げるが、葬列の棺桶が木の根元に置かれ、そこから死体が追ってくる。

 木から飛び降りて必死に逃げる山伏は川に落ちた。川岸を見ると狐がこちらを見て笑っていた。


 この物語では、狐の悪戯という接点から二つの話を混ぜこの様な流れになりました。




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「使はし奴(つかわしめ)」

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 「つかい」には「使」と「遣」の二つの字があります。「遣」は伝令として人との接触を持つ意味と捉えました。豊受気媛の身の回りを世話を行っている狐を意味して、より範囲の広い「使」を使いました。

 また、身の回りの世話を行う、下級な者として「奴」の字を充てました。




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「兵(つわもの)」

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 多分ですが、「強者つわもの」を一字に充てた物だと思います。

 似た物として、「さむらい」「さむらい」があります。また、発展として「武士ぶし」。

 「侍」は、高貴な人間に仕える者。平安時代には「さぶらふ(さぶらう)」「(そうろう)」とも。一方「士」は、成人男子。その中で戦う人を「武士」とグループピングしたものです。他にも「博士(はくし)」、「策士(さくし)」、「居士(こじ):在野の有能者」なども。




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「沓(くつ)」

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 首無し葬列の条件である履物。和語を探したのですが、絞り込んだのが「(くつ)」。草履などより新しいイメージがあると思いますが、奈良時代には「(くつ)」として存在していた様です。

 「靴」は洋靴のイメージとなります。

 天智天皇と中臣鎌足(藤原鎌足)が結びついた蹴鞠に使われた履物は「木履ぼくり」と呼ばれています。



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