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32.伝承スキル

新作投稿しました!

下記リンクから移動できますので、ぜひぜひ読んでください。

ブクマ、評価もらえるとめちゃくちゃやる気出ます。


タイトル――『インチキ聖女と言われたので、国を出てのんびり暮らそうと思います』

 グリアナに連れられ、俺たちは騎士団の訓練場へやってきた。

 訓練中だった団員たちは、二人の姿を見つけて手を止め、胸に手を当て敬礼のポーズをとる。


「構わず続けてくれ」

「はっ!」


 アレクセイが指示すると、団員たちは訓練を再開した。

 俺たちは訓練中の彼らの間を通り抜け、室内にある小規模決闘場へと入る。


「グリアナさん、ここは?」

「一対一で訓練をする際に用いられる場所です。ここなら周囲の目も気にせず戦うことが出来ます」


 そう言って、グリアナは一度アリアたちへ視線を向ける。

 目を合わせたら、そのまま俺に視線を戻して言う。


「ユーストス殿、私は子供だからといって手加減するつもりはありません。今ならまだ引き返せますが?」


 ここに連れてきておいて、まだそんなことを言うのか。

 彼女なりの優しさなのかもしれないけど、さすがに舐めすぎだな。


「心配いりませんよ。それと、俺からも一つ忠告があります」

「忠告?」

「ええ。手加減出来るなんて思わないほうがいいですよ?」


 ピリッとした空気が走る。

 グリアナの表情が険しくなり、背を向けて奥へ進んでいく。

 地面に敷かれた二本のライン。

 その一つに合わせて、俺たちのほうを振りむく。


「ならば始めましょう」


 グリアナは腰の剣に触れている。

 少し挑発するつもりだったけど、効きすぎてしまったようだ。

 まぁいいだろう。

 多少は本気になってもらわないと、怪我をするからな。


「アリア、いけるか?」

「うん!」

 

 アリアが前に出て、グリアナと向かい合う。

 両者とも腰に装備した剣に触れ、いつでも抜ける態勢をとる。


「団長、開始の合図をお願いしても?」

「わかった。では――」


 アレクセイが両者の間に立ち、右腕をあげる。

 掛け声からその手を――


「始めっ!」


 同時に剣を抜く。

 居合斬りのようにして刃をぶつけ合い、続けて斬り結ぶ。

 

 グリアナは騎士団屈指の実力者として、今回のメンバーに選ばれた。

 その実力は、王国最強の騎士と謳われるアレクセイに次ぐ。

 つまり、この国で二番目に強い騎士というわけだ。

 そんな相手とアリアは……


 互角に戦っている。


「くっ……」


 むしろ戦況はアリアが優勢。

 グリアナは余裕のない表情でアリアの剣を受けていた。

 その光景を見て、アレクセイが驚く。


「まさかグリアナが……」

「だから言ったでしょ? 手加減出来ると思わないほうが良いって」


 最初に断っておくが、騎士団のレベルが低いわけではない。

 騎士団長アレクセイは、かつてロード級のモンスターを一人で倒したことのある実力者だ。

 その次に強い騎士が、実は弱いなんてことはありえない。

 秘密は今日に至るまでの修行にある。



 ゴブリンロードとの戦いが終わり、落ち着きを取り戻し始めた頃。

 アリアたちは俺に、もっと修行をつけてほしいとお願いしてきた。


「先生! 私たちもっと強くなりたい!」

「今のままでは師匠の足手まとい……それは嫌です」

「ボクも……お兄さんみたいになるには、どうしてたらいいのかな?」


 ゴブリン軍団との戦闘を経験し、自分たちの実力不足を強く感じたそうだ。

 それまでにも何度か、俺との差を感じていて、密かに努力を重ねていたという。

 だけど、それでも足りていない。

 彼女たちの根底には、一緒に戦いたいという想いがあった。

 それを強く感じ取った俺は、一つの方法を提示する。


「だったら方法があるよ。とても厳しくて、大変な修行になるけど」

「やりたい!」

「やります!」

「やる!」

「はははっ、確認するまでもなかったな」


 彼女たちの意思は固かった。


「じゃあさっそく今日から始めよう! と言っても、一人ずつしか出来ないし、やるなら夜が良いな」

「どんな方法なんですか?」

「う~んと、簡単に言うとだな? 夢の中で、俺の持っている技術と経験を伝授するって感じか」


 三人は首を傾げた。

 無理もない。

 自分でも、伝わりにくいだろうと思う。


 使うのは【継承】スキルの派生――【伝承】スキル。

 ロード戦後のローウェンとの対話を経て、新たに獲得したスキルで、継承の効果を他者へ伝えることが出来る。

 スキルの発動条件は、対象と手をつないで眠りにつくこと。

 すると、二人は同じ夢を共有する。

 後は継承スキルと同じように、発動者の持つ経験を疑似体験させることで、その技術を習得させられる。


 アリアに伝承したのは、剣聖の技術と経験だった。

 継承のようにスキルの獲得は出来ないし、あくまで体験できるのは発動者である俺の経験だから、剣聖の過去を知ることは出来ない。

 それでも、各々の技量を格段にアップさせるには効果絶大だろう。

 ただし、伝承は一回や二回では完了しない。

 何度も繰り返し、日中はクエストを受けて実戦経験を積む。

 起きている時も、寝ている時も訓練。

 そんな毎日を続けてきた。


「確かに彼女たちは子供です。だけど……」


 子供の努力が大人に劣るなんて道理はない。

 彼女たちは苦しい修行を耐え抜き、英雄の背中を追い続けている。

 そして、今のアリアは剣聖の技術の一端を受け継いでる。

 最強の剣士の力は、一端でさえ現代の強者を圧倒するほどだ。


「そこ!」

「くっ……」

「舐めてかかれるほど、弱くはありませんよ」

 

 グリアナの剣が弾き飛ばされ、勝敗は決する。


ブクマ、評価はモチベーション維持につながります。

少しでも面白いと思ったら、評価を頂けると嬉しいです。


☆☆☆☆☆⇒★★★★★


よろしくお願いします。

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