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魔王の最後

大分遅れました。

すみません。


連合軍がドウ関に攻め寄せているとの報告を受けた董卓は自ら15万の大軍でドウ関を目指し

出陣していた。

ドウ関へ急ぐ董卓軍を阻むように一人の男が立塞がっていた。

「・・・呂布か・・・・」

「おうよ。董卓、てめーの首・・・・頂くぜ。」

その言葉に董卓軍は素早く反応する。

目の前の危険から董卓を守ろうと動き固まる、だがそれが運の尽きだった。

突如降り注いだ矢の雨に親衛隊を含め固まった兵は残らず死んだ。

それに合わせて呂布が正面、どこからか現れた騎馬隊が側面を突いた。


戦闘は一方的であった。

 

混乱してまともな指揮の執れない董卓軍と、統率された動きの呂布軍では

やむをえないことだが。


必死に奮戦する徐栄は魏続、候撰そして宋憲の三人を相手にしても一歩も退かず、

むしろ押している位であった。

「この裏切り者どもが!この徐栄いる限り決して董卓様へは近づけさせんぞ!」

叫ぶと同時に徐栄の体は動きを止めた。

馬から落ち、槍を落とすと、僅かに痙攣した後、完全に動きが止まった。

徐栄を後ろから刺した高順は興味も無さそうにその場を去り、雑兵を蹴散らし始めた。


董卓は一人、小高い丘の上で戦況を見ていた。

そして振り向くとそこには方天画戟を持った呂布が立っていた。

ゆっくりと刀を抜いた董卓は真っ直ぐ呂布を見据えた。

それに答えるように呂布も構えをとる、笑みを漏らしたまま。


火花が激しく散った


あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ


がはははははははははははははははははは


二つの笑い声を響かせながら打ち合う二人、


致死の一撃を神速の速さで打ち出し、さらに風の刃まで生み出す呂布

その一撃を防ぎ、さらに風の刃も回避し反撃する董卓


その周囲には大量の血が残された、呂布の風の刃がその場に居合わせた兵士の命を奪っていたのだ。


董卓の刃が呂布の首を捕らえ、切り裂いた。



首の切られた呂布は一瞬で消え、

残像と気付き振り返ったと同時に董卓の体は宙に浮き右腕が胴から離れ血が降り注ぐ。 


呂布が数回、戟を振るうと董卓の残った四肢も飛び、血を撒き散らした。


落ちてくる肉塊に呂布は方天画戟を投げ、

董卓の頭を貫き、後ろの岩に刺さって止まった。


一瞬で追いつき戟を掴んだ呂布はその肉塊をさらに両断し、その二つに分かれた首を飛ばした。


漢王朝を滅亡寸前までやった男の最後であった。


呂布は手に持った董卓の首を投げ捨てると、赤兎馬に乗り戦場へと戻った。


強敵を討ったにも関わらず呂布の心は晴れなかった。

もともと呂布は賊の頭領であったが、自分と互角に戦い知略などで優る董卓に感服して使えた。

だが、先ほど葬った董卓に昔の強さは無かった。


つまらない 呆気なさ過ぎる 奴は本当に俺と同等だったのか? 奴はあんなもので魔王などと呼ばれ恐れられたのか?


呂布自身も気付いていなかった、自分の成長に。関羽などの強敵と戦った結果呂布の力はさらに強くなっていたのだった。

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