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魅了魔法を使ってますが

※第1貴族とは1番位の高い貴族です。


 僕はこの国の王太子だ。

 第1貴族のサニーという婚約者がいる。

 サニーとは政略結婚だ。

 サニーは第1貴族らしく堂々として美しい。

 まるで、太陽の女神のような人だ。


 僕はサニーから毎日のように魅了魔法をかけられている。

 それはこの国の決まりだ。

 政略結婚に間違いのないように。

 昔、度々政略結婚が王太子から破棄されるような騒ぎがあり、そのように決まったのだと聞いてる。


そんな魔法がなくても僕はサニーが好きだと思う。

だけど仕方ない。

王族というのは心でさえ自由にはならない。

国民の奴隷だな、と思う。

国民の為に働き続ける代わりに、贅沢を許されている。

仕方ない。王族の男は僕しかいない。

間違いは許されない。


*****


私はこの国の次期王太子妃です。

第1貴族で王太子クラウディオ様の婚約者です。

もちろん政略結婚である事は当たり前。


この国では、過去の失敗から王太子の政略結婚には、ある魔法が欠かせません。


それは魅了魔法。


私は毎日のように、政略結婚の結びつきを強化する為にクラウディオ様に魅了魔法をかけています。


「さあ、クラウディオ様。私を愛しておられますか?」


今日もクラウディオ様の自室にて魅了魔法をかけ終わりました。

座っていたクラウディオ様がゆっくりと目を開けます。

クラウディオ様の知性に溢れた美しい濃い青の目が美しい。胸が高鳴ります。

ああ、クラウディオ様の婚約者が私であるなんて幸せです。

クラウディオ様は、王族でありながら魔術研究の第1人者でもあります。剣技にも優れ、穏やかで優しく、次期王として申し分ありません。

貴族達や国民からも人気が高く、非の打ち所がないのです。


私はいつもクラウディオ様の隣にふさわしいように頑張っているだけ。


「ああ、サニー。なんて美しいんだ。愛しているよ」


クラウディオ様が私の問いににっこりと笑ってくださいました。

もちろん魔法による愛の言葉です。

でも、良いのです。

魔法という奇跡によって、私はクラウディオ様と一生愛し合えるという保証があるのですから。


「私も愛しております」


だから、心の痛みは無視したく思います。


*****


クラウディオ王は穏やかな善政を敷き、その治世を終えた。

その傍にはいつも王を支える妃がいた。


しかし、語り継がれている事件がある。


クラウディオ王がこの世を去った時、妃は王の体に魔法陣が浮かび上がるのを見た。

その魔法陣は老いた妃の目にも光り輝きよく見えた。

何十年も前からの古い魔法陣。

強力な対抗魔法陣だった。


全ての魅了魔法を無効化する魔法陣だった。

読んで下さってありがとうございます。私的にはハッピーエンドです。

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