告白
遅くてすいません
「」ドンドンドンドンドン
扉が叩かれる
「ご主人ぁぁぁ!!!!!!!!!!」
ドア越しにシャーリーの声が聞こえる
そんな時に俺は一人下を向いていた
あいつは、シャーリーは言った、いや、言ってしまったという方が正しいだろう
『人間なんて死んだ方がいい』と
その言葉を言われた瞬間、俺はすぐに妹を思い浮かべた
『お兄ちゃん!』『ねぇねぇ!これってなぁに?』『....おにぃ....ちゃん......』
そう、妹はエルフに殺されたんだ、その殺した本人が目の前にいて、俺が殺さなかったことが奇跡の様なものだ
急に怒鳴った俺も悪いが、シャーリーのその言葉はどうしても俺は許すことが出来なかった
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アレから一睡も出来ずに朝になり、ドアを叩くおともしなくなった
一人でかるい食事をとり、着替え、仕事に向かおうと扉を開けた時
シャーリーが扉の前で土下座をしていた
「....ご主人.....さま......どうか....どうかお許しください....」
恐らくずっとしていたのだろう、全身が震え、膝は血と土が混ざった赤黒い色になっている
「もうしわけ....ございませんでした.....お許しを....どうか.....」
...俺はシャーリーを無視し、仕事に向かった
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「駿さん?大丈夫ですか?」
心配そうにこちらをのぞき込むシイナは前よりも少し目の色を失っている様にも見えた
「...ああ」
「嘘...ですよね、駿さん」
「何でもない」
「...私に話してはくれませんか?」
軽く放心状態だった俺は、昨日あった事を断片的にシイナに話した
「...そうですか....」
「...駿さん」
「...なんだ?」
「私は...私は駿さんの事が大好きです!!!」
「...いきなりだな」
「優しくてかっこよくて面白くて、そして私に生きる希望をくれた駿さんが大好きです!」
「...俺は何もしてねぇよ」
「駿さん!駿さんがいるだけで私はいいんです!駿さんとお話がもっとしたい!駿さんの笑顔をずっと見ていたい!駿さんと同じ空気をずっとずっと吸っていたいんです!」
....俺だけがいればいい、か
俺だって、妹さえいれば他は何でも良かった、仕事もいくらでも頑張れたし、何より苦痛ではなかった
「駿さんと肩を並べて歩きたい!駿さんと手を繋いで歩きたい!駿さんとエッチな事だってしたいです!」
「はは...おいおい恥ずかしいだろ...いいかげんに....し....」ポロポロ
何でだ?何で俺は涙を流しているのだろう
「駿さん!奴隷の身分でとてもおこがましい事を言っているのはわかります!けど!私はそれくらい駿さんが大好きなんです!!!」
「お前は........
俺の前から居なくならないか.......?」ポロポロ
「そんな事はありえません!だって私、一途ですから!」ドヤッ
「はは、そんなドヤ顔で言われちゃな....ありがとう、シイナ」
「....返事...期待してもいいですか?」
「すこし...少しだけ待って欲しい...そうしてくれれば、いつかはお前を迎えに行くから」
「はい!分かりました!」
「じゃあ...またな」
「はい!さようなら!」タタタ
...シイナの後ろ姿が小さくなっていく、しかし、心の中でのシイナの存在は、とてもとても大きく膨らみ、それ以外の事はどうでも良く感じられるほどだった
続く